被災した地元の復興を祈願して、富山県高岡市伏木地区の氣多神社では、古くから伝わる文化財「にらみ獅子」が披露されました。

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頭をゆっくりと動かしながら舞い観客をぎろりとにらむ…

高岡市伏木一宮にある氣多神社の春季例大祭の神事「にらみ獅子」です。

にらんだ参拝者の厄を払うとされていて、高岡市の指定無形民俗文化財に指定されています。

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「地元を元気づけたい」と例年通りの開催へ

ことしは、能登半島地震の影響で液状化被害に見舞われた伏木地区の復興を願って、執り行われました。

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地震から3か月あまり。伏木地区では、被害を受けた住宅の修理や、下水道の復旧工事が始まっていますが、今も手つかずの場所が多くみられます。

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氣多神社では―。

氣多神社奉賛会・北野健一会長:「傾いていたんです。ずれとったというか。これもばらばらだったんです。これを全部引っ付けてですね、直して。建てたんです」

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神社にある一部の灯篭が倒れましたが「にらみ獅子で地元を元気づけたい」と、例年通りの開催を決め4月上旬、復旧作業を終えました。

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にらみ獅子が見られてうれしい…

18日は多くの地元住民や小学生らが「にらみ獅子」を一目見ようと集まり、演舞が始まると歓声があがりました。

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地元の小学生:「あんなにいっぱいの人たちで同じ動きをするのがすごかった。これからもあってほしいと思いました」

地元住民:「毎年来ているんですけどよかったです。今年もまた、にらみ獅子が見られたということがうれしいです」

住民らの高齢化に加え、地震の被害にあい地区から去っていく人も多く、祭りの継承は危ぶまれていますが、関係者らは、若い世代も巻き込んで江戸時代から続く伝統行事を守り続けていきたいとしています。

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氣多神社奉賛会・北野健一会長:「いまから2年かかるか3年かかるか、わかりませんが、ぜひ復興して、子どもたちに伝承していってもらわんなんですから。できることは精一杯やりたいと思います」