年に一度の伝統の神事です。宮城県大和町の船形山神社では、一年の豊作を願って竹と白い紙でできた「梵天」を奪い合う「梵天ばやい」が行われました。

「梵天ばやい」は毎年5月1日に行われ、宮城県の無形民俗文化財にも指定されています。6世紀ごろに作られたとされるご神体「菩薩立像」の御開帳が行われた後、神事へと移っていきます。

高橋咲良アナウンサー
「まもなく『梵天ばやい』のクライマックスです。こちらの青竹に紙垂をつけた『梵天』が投げられて、奪い合いが始まります」

「ばやい」は「奪い合い」を意味します。梵天は最初に地面に突き立てた人に授けられ、豊作のご利益があるとされています。

高橋咲良アナウンサー
「梵天が投げ入れられました!5人の男性が奪い合います。威勢のいい掛け声!ぐるぐる回っています?!白熱した戦い!」

勝負はなかなかつきません。

観客
「立てろ、立てろ!」

高橋咲良アナウンサー
「立ったと思ったら倒れました!」

その瞬間は突然、訪れました。

高橋咲良アナウンサー
「あっさりと立ちました!拍手が沸き上がっています!」

梵天を立てた 浅井茂さん(大和町)
「今回は一番下にすがりついて立ててもらったので、自分のものだ!やったー!と何十年ぶりかに参加して獲得した。そのうれしさがひしひしと」

「梵天」は小さく割って田んぼに水を引き込む場所に立てると、水が良く入り豊作になるとされていて、5月1日は訪れた人全員に小分けにした梵天が授けられました。