パリオリンピック初出場を決めたバドミントン男子ダブルスの保木卓朗選手と小林優吾選手の“ホキコバ”ペア(トナミ運輸所属)。2人の強さの秘密、そして夢舞台への強い思いを聞きました。

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保木卓朗選手:
「男子ダブルスで誰もあの舞台でメダルを取ったことがないっていうことで、自分たちがそこ取れるようにやりたいなって」

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小林優吾選手:
「このためにずっとやってきたので、この1回をどれだけ楽しめるかが本当に大事かなと」

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パリオリンピック出場を決めたトナミ運輸の保木卓朗・小林優吾ペア。現在、世界ランキング6位。

2021年の世界選手権・男子ダブルスで優勝し、翌年、世界ランキング1位に浮上。いずれも男子ダブルスの日本勢で、史上初の快挙を成し遂げました。

強烈な高速スマッシュが武器のサウスポー・小林と、相手を翻弄する巧みなネットプレーが得意の保木。右・左の鉄壁ローテ―ションを習得し、それぞれの強みを活かしたバドミントンで勝ち上がってきました。

オリンピックの代表選考レースの中で、課題だった小林のレシーブも強化。戦い方も変えました。

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小林選手:
「スマッシュだけでは勝てない。スマッシュ1本勝負ってのを捨てて、多彩なショットを打てるほうがいいのかなと」
保木選手:
「小林のレシーブ強化っていうところで自分も前に行きやすくなったっていうか、すごくローテーションもうまくいきましたし。安定して世界でも勝てるようになってきたのかなって実感してて」

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これまで世界大会で数々のメダルを獲得してきた2人ですが、オリンピックは初めて。リオや東京オリンピックのときは、間近で見ているだけでした。

小林選手:
「うわぁなんで自分はこうなんだろうって本当に悔しい思いで。あのときに部屋で保木に言われたのが『ここから自分たちで見返してやろう』っていう一言で、ここから自分たち本気でやろうって」

中学生のときにはじめてペアを組み、高校から本格的に組み始めて今年で14年目。仲の良さも2人の武器です。

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記者:「2人で一緒にシャワーに入ると聞きましたが…?」
小林選手:
「海外の遠征とか早いもの勝ちなんで、奪い合いで、結局2人で入っちゃう。1人用ぐらいのところでもうギューギューで」

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保木選手:
「全裸になって、どっちが先にシャワーを浴びるかっていう争い事をしてます。ほんとガキみたいです、俺らは」


内定会見でもー。

保木選手:
「自分は特に大した球をもっていないので、小林にしっかりとチャンスボールをつくって世界一の小林のスマッシュをみてください」
小林選手:「保木は非常にスピーディーな前衛と巧みなサービス周りが得意だと思うので、そこをしっかりと見ていただけたらいいなと思っています」

あらためて、2人に聞くと…

小林選手「ペアを組んで14年とは思えないですね。そんな経ったかなぁって」
保木選手「小林がいるのが普通みたいな。兄弟みたいな」

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コート外でもいつも一緒の2人。4年前に3か月違いで結婚。ともに3歳と0歳、2人の子どもに恵まれ、パパとしても奮闘中です。

小林選手:
「本当にかわいいので。それが頑張る源かなと思います」
保木選手:
「将来オリンピックを子どもがちゃんと理解できるようになったときに、パパもこの舞台に立ったんだよっていうのを言って、そのときにメダルがあれば、もっともっとパパのすごさっていうのが分かると思うので。このあと2か月ぐらい死ぬ気で頑張りたい」

ともに福島県の富岡高校出身の2人。2011年の東日本大震災も経験しました。ことし元日の能登半島地震も受けて、特別な思いが重なります。

保木選手:
「東日本のときも、そしてこうやって富山の能登半島地震のときも、たくさんの方に支えてもらって、自分はこうやって好きなバドミントンっていうのを続けてこれらてるので、パリの舞台でも、ホキコバのガッツあふれるプレー、かっこいいところを見せられたら」

小林選手:
「まだ…復興できてないと思うんですけど、自分たちはそういう人たちのために頑張ろうっていうのを、とにかくあのときから高校のときから決めてることなので。勇気を与えられるように頑張りたい」


2人が目指すのは、前人未到、日本男子ダブルス界初となるオリンピックでのメダルです。

保木選手:
「お互いに100%の力を出せば、多分メダルも夢じゃないと思いますし、その中で金メダルっていうのも全然狙えると思うので、自分たちの集大成として、ホキコバの集大成として、パリではしっかりと頑張っていきたい」

小林選手:「何回も出られる大会ではないと思うので、最後まで楽しんで、楽しみながら自分たちのプレーを出せるように頑張りたい」

パリオリンピックのバドミントン競技は7月27日から。ホキコバペアはあと2か月の間、シード権をかけてシンガポール・インドネシアオープンの2つの国際大会に出場し、調子をさらに上げながらオリンピックに臨みたいとしています。初めての景色を見せてくれるのか。2人の活躍に期待がかかります。