富山県の新たな観光の目玉、黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放は「来年度以降に延期」となりました。能登半島地震で被害を受けた黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が今年10月の全線開通を“断念”したためです。

黒部峡谷鉄道 青島郁夫男 総務部長:「2024年シーズンは全線開通が出来ない状況となりました。多くの皆様に大変なご不便をおかけすることとなり、誠に申し訳なく思っております」

黒部峡谷鉄道は27日、今シーズンのトロッコ電車の全線開通の運転を断念したと発表しました。

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雪解け以降、詳細な現地調査をしたところ、元日の能登半島地震で被害を受けた宇奈月駅からおよそ14キロ上流にある「鐘釣橋」とその周辺の斜面の損傷が想定より大きく、当初の見込み以上に復旧工事に時間がかかることが判明しました。

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関西電力 水田潤一さん:「地元の皆さん方の期待は我々も感じていて、今後は安全第一のうえで1日でも早く完成させたいと思っておりますので、その点はご理解いただければなと思います」

これに伴い黒部峡谷から黒部ダムを結ぶ関西電力の工事用ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」も、ことし10月ごろに一般開放する予定でしたが、富山県は一般開放を「来年度以降に延期する」と発表しました。

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富山県 新田知事:「3月に続いて2度目の延期ということになるわけであります。そして今回は延期の目途も申し上げることは、現時点ではできないということ。期待されておられた県民の皆さんまた全国の楽しみにされていた皆さんにはとても申し訳なく思っております」

全線開通の断念を受けて黒部市宇奈月町では…

男性:「やっぱちょっと残念というか人は少なくなると思います」

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女性:「本当にみんなで期待していたのでね。キャニオンルートも楽しみにしてたんですよね、それがやっぱり難しいとなると悲しいし、残念という思いはあるんですけど、今あるもので、いかにお客さんに満足していただいて、また来ようって思っていただけるかを前向きに考えなければいけないなって思っていますね」

来シーズンについては復旧工事の進捗を踏まえて改めて公表するとしています。

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