米沢市の国指定史跡、普門院の本尊である木造大日如来坐像の内部を調べたところ、中に小さな仏像など多くの品が納められていることがわかりました。

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倉内奈津美 記者「その仏像が、こちらです。民間からの委託調査としては初めてだそうで、今、内部の調査が行われています」

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こちらが、米沢市にある、国指定史跡「普門院」の本尊、「木造大日如来坐像」です。

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エックス線CT撮影装置を導入した東北芸術工科大学の文化財保存修復研究センターが仏像の内部構造を調べたところ驚きの発見がありました。

先進技術で歴史をさぐる

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この「木造大日如来坐像」は、米沢市関根の普門院の本尊で、およそ300年から400年前につくられたとみられています。

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1790年代に西川町にあった湯殿山本道寺から普門院に伝わったもので、貴重な仏像として、大切に守られていましたが、近年損傷が目立ってきていました。

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岩上山普門院 高橋隆文 住職「なんとしてでも、この木造大日如来坐像は残さなきゃいけない、直さなきゃいけない気持ちがある」

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住職の思いとともに今年4月、仏像の魂を抜く閉眼法要が行われ、修復するためおよそ230年ぶりに本尊が寺の外に運び出されました。

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中に驚きの仕掛けが



そして上山市にある文化財の修復などを行う民間の工房で、今も修復作業が続けられています。

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東北古典彫刻修復研究所 渡邉真吾 副所長「仏様のお座りになっている台座が、大変ガタガタな状態になっていました。いつ倒れるか、落ちてしまうかわからないような状態」

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修復に向け仏像の構造を知るためのエックス線調査でしたが、この過程で、見つかったのが・・・

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東北古典彫刻修復研究所 渡邉真吾 副所長「巻物のような物の中に木の仏像が見えてきた」

誰がなんのために



こちらは、仏像を背後から立体的に見たものです。

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なんと、仏像の胴体に入っていたのは、およそ13センチほどの阿弥陀如来と思われる木製の仏像です。

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さらにもう一体、金属製のおよそ3.5センチの仏像らしきものも見つかりました。

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東北古典彫刻修復研究所 渡邉真吾 副所長「もうただ、びっくりって感じです。この木造大日如来坐像を例にして言えば、中に入っている仏様が阿弥陀如来。違った種類の仏様を中に入れるという意味合いは、より慎重に調べていかないといけない」

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さらに、こんなものも!



このほかにも、仏像の頭部からは巻物のようなものや、刀の装具など10個以上のものが見つかりました。

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いつ、誰が、何のために入れたのか、今回の調査ではわかっていません。

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東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター 伊藤幸司 教授「CTで撮影することで(内部が)見えてきたことが一番大きな成果だと思います。今までの既成概念を取り払っていろいろなものを調べていくこと、有効性を引き出していくことは、非常に大きいことだと思う」

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東北古典彫刻修復研究所 渡邉真吾 副所長「これまでの木造大日如来坐像が歩んできた歴史が、目に見えてわかるようなそういった修復をしていきたい」

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この木造大日如来坐像の修復作業は来年まで続きます。

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今回見つかった仏像など、どのようないきさつで入れられたのか、その理由が解き明かされる日も近いかもしれません。