まもなく梅雨。湿気でカビが発生しやすい季節です。食品の取り扱いに気を遣う人も多いと思いますが、衣類にとってもこの時季は要注意。大切な洋服にカビが生えて泣く泣く処分…なんてことになるかもしれません。カビから衣類を守る、「衣替えのポイント」について紹介します。

整理収納アドバイザー スズキナオコさん

消臭剤や防虫剤などを販売する日用品メーカー・エステーが行った衣類に関する意識調査では、衣類を長期収納したのち、着られなくなった経験がある人は77.4%。原因の内訳で「カビ」と回答した人は23%でした。

「夏の衣替えは特に慎重に」と話すのが、整理収納アドバイザーのスズキナオコさん。この時季は衣類にカビが生える条件がそろいやすいといいます。

カビが生える条件(文部科学省)

文部科学省によると、カビが生える条件は下記の3つ。
・温度25度以上
・湿度70%以上
・栄養豊富な場所

ちなみに2023年6月の名古屋の平均最高気温は28.1度、平均湿度は74%でした。屋内と屋外の気温・湿度はまったく同じではありませんが、外の状況に応じて変化しやすいです。これからの時季はクローゼットの中も自然と25度以上、湿度70%以上となる日が多くなります。

さらにカビは人の皮脂や汗などを栄養源にします。つまり、クローゼットの衣類はカビにとって最高の環境なんです。

対策方法は「空気の循環」と「8割収納」

衣替えは晴れの日に、換気をしながら行う

対策法として重要なのは「衣替えのときの除湿と整理整頓」。衣替えは湿気の少ない晴れの日に、換気をしながら行いましょう。さらに扇風機でクローゼットに風を送って空気を循環させるとより効果的です。

続いて心がけてほしいのは、収納スペースに余裕を持たせる「8割収納」。隙間がないと湿気がこもりやすいので、なるべく洋服の数を減らして通気性を良くすることが大事です。

また、「衣類を立てる収納」も大切なポイント。湿気は空間の下のほうに溜まりやすいため、衣類を下から上に重ねると、下にある衣類ほど湿気を吸収してしまいます。収納スペースの下部にはほとんど隙間がないので、湿気が逃げづらくなり、カビの原因になります。

クリーニング後のビニールカバー、そのままはNG

ビニールカバーは外し、保管用の不織布カバーをかける

クリーニング後の洋服にかけてあるビニールカバーを、そのままにするのは良くありません。ビニールカバーは保管用ではなく、洋服を持ち帰る際に汚れないようにするためのもの。クリーニング直後は洋服にまだ湿気が残っている場合もあるので、持ち帰ったらすぐカバーを外して、洋服を乾かしましょう。

ほこりが気になる方は、乾燥後に通気性がいい不織布のカバーをかけるのが良いそうです。大事な洋服を長く着るために、湿気対策と整理整頓をしながら衣替えに取り組んでみてください。