お手頃価格で大人気のすしネタ「サーモン」ですが、ここ数年、世界的な人気が高まって仕入れ値がなんと倍に。このピンチのなか、注目される秘策を取材しました。

■世界的人気…サーモン“異例高騰”

 回転ずしといえば…。

ドイツからの観光客
「サーモンの上にチーズがのっていて最高だよ」

 お手頃価格で人気のネタの一つ「サーモン」。海外では“サーモンブーム”が起きていました。ロンドン市内にはすしチェーンの店舗が至る所にあるのですが、売られているすしネタのほとんどがサーモンです。

 世界中で人気のサーモン。ところが、日本では困った事態が起きています。

くら寿司 広報 小坂博之さん
「2022年に大きな価格改定をしている。それよりさかのぼって1、2年前から比べると、サーモンは2倍くらい(仕入れ値が)上がっている」

 大手回転ずしチェーンでは輸入サーモンの仕入れ価格が3、4年前に比べて2倍になっているというのです。

くら寿司 広報 小坂博之さん
「サーモンでいうと世界的な人気が一番大きい。世界的に人気な魚種は人気が集まる=需要がある。仕入れ値が徐々に上がってきていた」

 また、円安なども拍車を掛けているといいます。

■サーモン“異例高騰”国産に注目

 約8割を輸入に頼っている日本。そこで今、注目が集まっているのが輸送費が安く高鮮度な“国産サーモン”です。


「すごく新鮮で脂がのっていて、おいしいです。なかなかボリューミーでいい」

 味よし、脂のりよしの“国産サーモン”。安全で新鮮、しかも安定的に供給が可能なのです。そこには、ある秘密がありました。

■“水に秘密”アニサキスも心配無用

 輸入サーモンの高騰で注目が集まっている輸送費が安く高鮮度な“国産サーモン”。千葉県木更津市の食堂では“国産サーモン”を提供。評判は上々です。

 そんな国産サーモンは一体、どのように育てられているのでしょうか。養殖されているのは大型のニジマスのトラウトサーモンです。

FRDジャパン 宮川千裕さん
「年間生産量で約30から40トン。養殖している尾数は約1万匹。海と陸という大きな違いはあるが、陸上で海の環境を再現しながら内陸部でも養殖できるところがメリット」

 陸上だからこそ新鮮で安定供給も可能だといいます。

FRDジャパン 宮川千裕さん
「日本の海面養殖だとサーモンにとっては、すごく夏場は暑くなっていて、夏場はサーモンの養殖が難しくなるのに対して、陸上だと1年間を通してサーモンの適温である水温15℃くらいを一定に保てるので、サーモンでも年間を通してつくることができる」

 また、水は水道水を使用しているため、アニサキスなどによる食中毒の心配もないそうです。

 大手回転ずしチェーンもこうした養殖サーモンに期待を寄せています。

くら寿司 広報 小坂博之さん
「技術がどんどん進んでいけば、海上養殖と陸上養殖という幅広い養殖のスタイルがあることで安定して仕入れさせていただける環境が整備されると思うので、ものすごく期待している」