■今永快進撃の秘密「高めの直球」古田さんが解説

今永投手 好調の理由 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

(Q.今永投手は27日時点で、5試合に先発し、4勝0敗。防御率は0.98を記録しています)

古田さん
「本人も不安だったと思うので、まだまだ分からないところで、本人も驚いてると思いますけど、素晴らしい記録だと思いますね」

(Q.好成績の要因は?)

古田さん
「やはり、なんといってもストレートだと思いますね。質の良いストレートの回転数が非常に良いです」

「もちろん、落ちる球も投げますが、ストレート平均回転数は、MLB全体では2288回で、今永投手は2412回です。これは100回転以上高いです。この数字は凄いです」

「『ホップ成分』と呼ばれる浮き上がるボール。これは、バッターにとって本当に浮き上がって見えるぐらいのストレートで、気持ちいいです。ピッチャーにもバッターにもストライクに見えますが、どうしても振ってしまう球ですね」

(Q.今永投手は高めへの投球割合が増えているということです。昨シーズンまでは33%、今シーズンは40%台に乗っているということです)

古田さん
「もともと日本では得意のボールだったんですけれども、アメリカに来てもっと有効的に使っているということですね」

今永投手は、自身のストレートについて、次のように話していました。

今永投手
「僕の低めの真っすぐは、あまり大したことない真っ直ぐなので。バッターからしたら、高めに来ないようなフォームで高めに来るので、思わず振ってしまうっていうのを僕は狙って投げているので」

「『真っすぐを投げ出す角度がすごくユニークだ』と言ってもらっていて、肘が低いところから高めに投げることによって、バッターの軌道が合いづらい」

(Q.ユニークな軌道とは?)

古田さん
「今永投手はメジャーリーガーとしては身長は低めの178センチです。そして、メジャーではリリースポイントがやはり低いです。(今永投手は)この低め(のリリースポイント)から高めに投げてくる。リリースポイントが低いピッチャーはメジャーにもいます」

「でも、それは大体スリークォーター、サイドハンドのピッチャーなので、サイドスピンがかかります。今永投手は上から投げてるので、『ホップ成分』が高いように見える。低いリリースポイントから高い球を投げるピッチャーが少ないです」

「メジャーのスイングを実演させてください。数年前から、メジャーではトレンドになってる『フライボール革命』は、フライを打った方が得点力が上がるのではないかと言われています」

「今、メジャーのバッターはだいたい肩を下げて、右ひじでフィニッシュする打ち方をします。日本でいうアッパースイングで打つバッターが多いです。このアッパースイングが当たれば飛びますが、弱点がありまして、やっぱり高めのボールを打ちにくいです。下から(バットを)出すので、打った時にボールが上を通ることが多いです」

「つまり、このバッティングは非常に緩い球には良いですが、速い高めの球は苦手です。そこを分かっているので、本人(今永投手)特有の球で高めにどんどん行ってますね」

「球場は、やはり日本では打たれた時に、どうしてもフライに上がりやすい。日本の球場はちょっと狭いので、そのままホームランになる確率が高いです。だから、どちらかというと『低めに投げなさい』と日本ではよく言われますが、メジャーの球場はやはり広いです。だから思い切って、彼の良さをよく使えていると思います」

(4月28日放送「サンデーLIVE!!」より)