今の時期、道ばたでこんなきれいな花を見たことがありませんか?
街で聞くと「マリーゴールドに似てる?」「河川敷でよく見るような…」「有名な花ですか?」との声が聞かれました。
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鮮やかすぎるほどの黄色は目を引きますが、「オオキンケイギク」という名のこの花、実は特定外来生物なんです。
そもそもどんな植物なのでしょうか?
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特徴は以下のとおり。
・北アメリカ原産のキク科の多年草
・草丈は30〜70cm
・開花期は5〜7月
・結実期は6〜9月
・花びらは黄橙色で先端は不規則に分かれる
・八重咲き(花びら重なって咲く)の花もある
・葉は細長いヘラ状で白い毛が生えている
・一見コスモスのようですが、違う花
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なぜ広まったのかというと、明治中期に観賞・緑化用として持ち込まれたものが定着しました。
繁殖力が強く、生態系に重大な影響を及ぼすため2006年に「特定外来生物」に指定
これに指定されると、栽培、保管、生きたまま運搬、販売、輸入、植える、野外に放す、まく等が外来生物法により原則禁止されます。故意に広めた場合は、罰則の可能性もあります。(個人で最大300万円以下の罰金、もしくは3年以下の懲役)
ではどのように対処すべきなのか?駆除の様子を取材しました。
駆除が行われたのは防府市田島の県道190号線沿いの植え込み。
作業にあたっていたのは、市役所の有志24人です。
駆除の方法は道具で刈るのではなく、慎重に手で抜いていきます。
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作業にあたった職員
「根っこから抜く前にちぎれたりしたらまた生えたりするのかなっていうので(作業は大変)」
まず警戒すべきは、この「根」です。
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防府市職員
「宿根なので1年で枯れてしまうということはない。何年かは咲いてしまう。根で育つ 種でも育つし、根でも広がっていく」
ちぎれた根から再生し、翌年にはまた花を咲かせるため根気強く何年も駆除を行う必要があります。
さらに注意が必要なのが「駆除のタイミング」
5月半ばの花の盛りの時期が適しているそうです。その理由は、花が散り時間が経つと種が地面に落ちてしまい、回収が不可能になるためです。
1つの花が生産する種はおよそ100個。花が密集している場所では1㎡当たり5000個にも及ぶため種が落下する前までに駆除しなければなりません。
しかし、このように先端が割れ茶色く変色している状態は、既に種が落ちてしまっているので、駆除の効果は半減します。
駆除には厳格な「ルール」もあります。
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防府市職員
「特定外来生物の法律で、生きたまま移動させてはいけないという決まりがある。市民のみなさんでやるときは袋に入れて枯らせてからゴミに出す」
ゴミに出す際は、各自治体のゴミの処理方法に従ってください。
オオキンケイギクを放置してしまうとどのような影響があるのでしょうか?
専門家に聞いてみました。
山口県立山口博物館 杉江喜寿さん
「オオキンケイギクは、とても繁殖力が強い。他の在来種が生育できなくなる。そうすると、生育できなくなった植物に頼って共生していた昆虫も数が減ってしまったり多様性が失われる。毒があるとか、害があるわけではないが、身の回りにあった植物が失われてオオキンケイギク一種類になってしまう。そういうことが現実に起きている」
風景を黄色く染めるオオキンケイギク。特定外来生物だということを認識し、見つけ次第、適切に駆除することが重要です。
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オオキンケイギクは、人間には直接的な害もなく、キレイな花なので好意的にもみられていますが、放置すると日本の四季折々の風景が失われる可能性もあります。
まずは、駆除しなければいけない植物だと認識し、見つけた場合は、ルールに則って駆除してください。
(テレビ山口「mix」2024年6月14日放送)