欧州マツダは現地時間の2024年4月18日、新型クロスオーバーSUV「CX-80」を世界初公開しました。日本市場にも導入予定の新しい3列シートSUVは、果たしてどんなモデルなのでしょうか?

日本でも発売予定の3列シートSUV新型「CX-80」世界初公開

 欧州マツダは現地時間の2024年4月18日、新型クロスオーバーSUV「CX-80(シーエックス・エイティ)」を世界初公開しました。欧州では2024年5月に受注がスタートし、同年秋に発売されるといいます。

 今回、世界初公開された新型「CX-80」は、ヨーロッパ市場向けマツダ車の新たなフラッグシップモデル。3列シートを備えており、これまでマツダがヨーロッパで発売した車種の中で最も広々としたキャビンを確保しています。

 エレガントなルックスには、高品質のインテリアや先進的なドライブトレインを内包。マツダはこのモデルで、ヨーロッパのプレミアムブランドに挑戦する模様です。

 今回、世界初公開された新型「CX-80」のボディサイズは、全長が4995mm、全幅が1890mm、全高が1710mm、ホイールベースが3120mmとアナウンスされています。

 キャビン内に実用的なサードシートを配置すべく、ホイールベースと全長を兄弟車である「CX-60」から250mm延長。併せて、乗員の快適性が高まるよう、全高は「CX-60」より24mm高くなっています。

 ちなみに、新型「CX-80」のホイールベースは、北米市場向けの「CX-70」や「CX-90」と同一。それでいて全長は、「CX-70」&「CX-90」(5100mm)よりも105mm短くなっています。

「CX-60」と比べてみると、新型「CX-80」の全幅は「CX-60」と同じであり、デザインも似通っているせいか、2台の顔つきはほぼ同じに見えます。

 また、新型「CX-80」のサイドビューは「CX-60」よりもホイールベースと全長が延長された結果、よりエレガントで洗練されたシルエットに。リアピラー側へと拡大されたサイドウインドウは、「CX-60」よりも直線的な造形で、サードシートの存在を強調します。併せて、シームレスな形状のルーフレールが、新型「CX-80」のキャビンの長さを強調しています。

 新型「CX-80」のインテリアは、「CX-60」比で250mm延長されたホイールベースと全長により乗員のショルダールームやヘッドクリアランス、ヒップポイントの間隔、フロントシートからセカンドシートまでのカップルディスタンスが、すべて「CX-60」よりも拡大されています。

 そんなキャビンには、最大7名の乗員が座ることができ、広々とした開放的な空間により快適な移動を楽しめます。

 2列目席は、7人乗り仕様が40対60の分割スライド式ベンチシートを、6人乗り仕様は左右が独立したキャプテンシートを採用。また3列目席は、左右が個別に折りたためる構造で、リアドアが大きく開くためアクセス性も良好です。

 もちろん、新型「CX-80」のインテリアは、評価の高い「CX-60」のそれに通じる格上の仕立てであることは間違いありません。

●欧州向けはディーゼルMHEVとガソリンPHEVを設定

 欧州向けの新型「CX-80」に採用されるパワートレインは、現状、以下のふたつの存在が明らかになっています。

 ひとつ目は、3.3リッター直列6気筒ティーゼルターボエンジンを核とするMHEV(マイルドハイブリッド)仕様“e-スカイアクティブD 3.3”で、ふたつ目は、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンに電動モーターを組み合わせたPHEV(プラグインハイブリッド)“e-スカイアクティブPHEV”。いずれも日本仕様の「CX-60」にあるユニットです。

 欧州仕様の“e-スカイアクティブD 3.3”は、最高出力254馬力を発生。対する“e-スカイアクティブPHEV”の最高出力は327馬力で、容量17.8kWhのバッテリーが満充電状態であれば、モーターだけで60kmの距離を航続できるといいます。

 なお、いずれの心臓部にもトルコンレスの8速ATと4WDを組み合わされます。

 ちなみに、欧州仕様と同じ日に発表されたオーストラリア仕様には、3.3リッター直列6気筒ガソリンターボエンジンのマイルドハイブリッド仕様“e-スカイアクティブG 3.3”も存在しています。先行した「CX-60」と同様、市場ごとにパワートレインのラインナップが異なるようです。

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 ラージプラットフォームを用いた“ラージ商品群”のSUVについて、マツダはすでに、ナローボディ×2列シートの「CX-60」、ナローボディ×3列シートの「CX-80」、ワイドボディ×2列シートの「CX-70」、ワイドボディ×3列シートの「CX-90」を市場特性に応じて導入していくとアナウンスしています。

 このうち日本には、すでに「CX-60」を投入済み。併せて、人気モデルだった「CX-8」の後継モデルとして、3列シートSUVの新型「CX-80」を投入するとしています。

 現状、日本仕様の発表については明らかになっていませんが、「CX-60」の際は世界初公開から約1か月後に日本仕様が発表されたことから、近いうちになんらかのアナウンスがあると思われます。