注目の電動2シーターオープンスポーツカー、MG新型「サイバースター」が英国市場で受注を開始しました。いったいどんなクルマなのでしょうか。

シングルモーター「トロフィー」とデュアルモーター「GT」の2グレード

 歴史ある英国の自動車ブランド「MG」は2024年4月25日、英国市場にてEV(電気自動車)ロードスター、新型「サイバースター(Cyberster)」の受注を開始しました。

 新型サイバースターは2021年の上海モーターショーでコンセプトカーが初披露、その2年後、2023年の上海ショーで世界初公開されました。

 新型サイバースターは2シーターのロードスターです。カール・ゴッサム氏率いるMGロンドンのデザインチームが構想したシザーズドアが特徴的で、30mph(約48㎞/h)以下の速度なら走行中も約15秒で開閉可能な、完全電動ソフトトップを備えています。

 グレードは2グレードが用意されます。

 シングルモーターの新型サイバースター・トロフィーは、340馬力・475Nmのモーターを搭載。0−100mph(約96㎞/h)加速は5.0秒というパフォーマンスを発揮します。
 
 ブランドの新たなフラッグシップモデルとなる新型サイバースターGTは、デュアルモーターでトータル503馬力以上の出力、725Nm以上のトルクと、MGの歴史の中でもっともパワフルな量産モデルになります。0−100mph(約96㎞/h)加速は3.2秒となります。

 コンフォート、カスタム、スポーツ、トラックの4つのドライブモードが装備されており、ドライバーは洗練された長距離ツーリングから純粋なパフォーマンス重視のオプションまで、サイバスターの可能性を最大限に探索できます。

 搭載バッテリーは77kWh容量のリチウムイオンバッテリーで、トロフィーの最大航続距離 (WLTP) は316マイル(約508㎞)、よりパフォーマンスを重視したGTの場合は276マイル(約444㎞)になります。

 英国市場での車両価格は、サイバースター・トロフィーが5万4995ポンド(日本円で約1081万円)、サイバースターGTが5万9995ポンド(約1180万円)となります。納車は同年8月以降を予定しています。

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 MGは英国の歴史あるブランドで、創立は1924年と100年の歴史があります。創業以来、経営母体が次々と変わりましたが、スポーツカーブランドとしてさまざまな名車を生み出してきました。1955年に誕生した「MGA」、カニ目の愛称で知られる「ミジェット」、1962年の「MGB」などが有名です。

 なかでも1995年に登場した2ドアオープンカー「MGF」は日本でもヒット、ローバー・ジャパンから販売されたMGFは第16回1995−1996日本カー・オブ・ザ・イヤーで輸入車の受賞であるインポート・カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれました。

 その後MGローバー社は経営破綻、MGブランドは2005年には南京汽車、2007年には上海汽車傘下となり、おもに中国や新興国向けのSUV、コンパクトカーを生産していました。

 新型サイバースターは、MGブランドとして久々のスポーツカー市場への復帰となる1台です。