小学館サンデーうぇぶりで「スクールバック」を連載中の漫画家・小野寺こころさんがX(旧:Twitter)に公開した漫画「だんしゃり」を紹介する。

子どもに無関心な父親と、子どもの物を勝手に盗み暴言を吐き続けてくる祖母という“毒親”育てられた主人公が、自分のために家族と決別するまでを描いた本作は、小野寺さん自身の実体験がベースになっているという。漫画を描いた背景や制作への思いを聞いた



■「親に読まれたら苦い顔されるんだろうなぁ」(小野寺さん)

漫画を描き始めた時期について小野寺さんは「初めてちゃんと原稿を完成させたのは高校1年のときです。高2になり、ショート漫画がいくつかあったので『せっかくやし持っていってみるか〜』と、京まふ(京都国際マンガ・アニメフェア)の出張編集部に行き、たまたまサンデー編集部に持っていったのが始まり」だと振り返る。

「だんしゃり」の主人公は、祖母と父親との三人暮らしのしょうこ。祖母は「部屋が散らかっているから」としょうこの部屋の物を盗み罵声を浴びせるが、父親はそんな祖母には何も言わず、「どうせ、全部がらくたやろ。全部片付けろ!」と言い放つ。家庭に居場所がないしょうこの姿は痛々しく、読んでいるこちらも辛くなってしまう。

執筆時の苦労した点を尋ねると、「執筆自体を苦労だと思うことはないのですが、テーマや内容が重いものだったり、実体験をベースにしているので、嫌な出来事やトラウマと向き合わないといけなくなるので、できる範囲で自分に優しくしようとはしています」とのこと。また、家庭環境における実体験をベースとしていることもあり、「親に読まれたら苦い顔されるんだろうなぁ、って感じです」と正直な思いも口にした。


■取材協力:小野寺こころ(@onoderaKOKORO8)