静岡県静岡市の静岡ツインメッセでは、2024年5月8日〜12日(日)までの5日間にわたって「第62回静岡ホビーショー」が開催されている。明日(5月11日)、現地を取材するのに先立ち、ウォーカープラスで取材したガンプラ作品を紹介する。



本作、「決戦 -Decisive battle- 宇宙要塞ソロモン」は関西在住のまんねん工房(@hide94373)さんによるジオラマ作品。実力派モデラーとしてガンプラ界隈で知られるまんねん工房さんは、実に4年もの歳月をかけて本ジオラマを製作。見事、第24回「オラザク選手権」の大賞を受賞し、月刊ホビージャパン(2022年1月号)の表紙を飾ったのだった。この傑作ジオラマ製作における舞台裏をまんねん工房さんに聞いた。

■「ドズル中将やデラーズ、シン・マツナガ、ガトーを探してください」

ビグ・ザムを製作した理由について聞くと、「この作品はオーダーメイドでして、依頼主からのお題が『ビグ・ザム格納庫』ということでした」と告白。実は、まんねん工房さんは生まれてこの方、ビグ・ザムをかっこいいと思ったことが一度も無かったようで、あまり乗り気ではなかったのだとか…。ただ「話を進めるうちに“おもしろいかも”と思えるようになっていきました」と当時を振り返った。

おもしろいと思えるようになった理由は、「不格好だからこそ、“兵器としての説得力”を持たせることでかっこよく表現できるのではないかと思った」とのこと。今ではすっかりビグ・ザムのことが好きだと胸を張った。

ジオン軍と量産機が好きだというまんねん工房さんは、ジオン系量産機やザクを作ることが多い。「ザクは兵器としてデザイン性に優れるだけでなく、戦車のような“泥臭さ”といった“戦場の匂い”を感じさせる存在なので、ジオラマの素材にしやすいです」と、目を輝かせながら“ザク愛”を語ってくれた。

■ジオラマに隠されたストーリー

本ジオラマの設定としては、ファーストガンダムにおける「ソロモン決戦」の直前をイメージ。ドズル・ザビ中将がパイロットたちを演説で鼓舞するなか、整備兵によってビグ・ザム(およそ1/155)の整備、点検が急ピッチで進められている。「左に見えるリック・ドム(1/144)は、偵察から帰還してきたところです」と、細かな舞台設定を教えてくれた。

まさに、整備兵一人ひとりの息遣いが聞こえてきそうだ。

ビグ・ザムは、ギレンにより増援としてア・バオア・クーからソロモンに送られた規格外の試作機のため、整備用の専用ハンガーなどは無いと想像し、基地内に平置きして整備をしている設定。

「ソロモンは資源採掘用の小惑星を基地にしたという設定なので、天井には岩がむき出しになった部位も作っており、採掘跡を思わせる情景にしました。また、モビルワーカー(作業用ロボット)が作業しているのもそういった理由です。実はドズルの演説シーンも再現してあって、エギーユ・デラーズ、シン・マツナガ、アナベル・ガトー、ケリィ・レズナーといった歴戦の戦士たちもいます。探してみてください(笑)」



取材協力:まんねん工房(@hide94373)
(C)創通・サンライズ