バスケットボール男子・Bリーグ2部のパスラボ山形ワイヴァンズは11日、プレーオフ(PO)準決勝・滋賀戦(大津市・滋賀ダイハツアリーナ)第1戦を迎える。チーム初の準決勝進出を決め、石川裕一ヘッドコーチ(HC)は「新たな歴史を刻むことができ誇らしい。自分たちの持ち味を発揮して勝ち、決勝へ進みたい」と意気込んだ。9日は山辺町民総合体育館で練習した。

 今季は山形が31勝29敗で東地区3位、滋賀は44勝16敗で西地区1位。両者の対戦成績は山形の0勝4敗。PO準々決勝で山形は福岡(西地区2位)を、滋賀は青森(ワイルドカード1位)をそれぞれ2勝1敗で下し準決勝へ進んだ。石川HCは、持ち味の3点シュートを抑えられた半面、リバウンドで優位に立って勝利した福岡戦を振り返り「何が起こるか分からないのがPO。滋賀も決して勝てない相手ではない」と語った。

 POは2戦先勝方式で、準決勝は最長13日まで試合が組まれる。山形は来季交付されているのがB2ライセンスのため、POは昇格にはつながらない。

PG村上「完全アウェー楽しむ」

 山形はPO準々決勝の福岡戦第1戦を落とし、その後の2戦をいずれも逆転勝ちして準決勝進出を決めた。このPOに特別な思いで臨んだのが、ポイントガード村上慎也。昨季まで在籍した2部福島でPOの舞台に2度立ちながら、準決勝進出はかなわなかった。悔しさを重ねてきた分、「自分の中で壁を崩すことができた」と、勝利を自信に変えた。

 第1戦は福岡にゴール下での主導権を握られ敗れた。その中で第2戦以降は「強い気持ちを持ち、我慢し続けたことが逆転につながった」(村上)。同じポイントガードの岡島和真と共に内外からシュートを放ち続け、試合の流れを変えようと奮起。第1戦とは対照的に、ティモシー・ホリフィールドやジェームズ・ベルを中心として攻守でリバウンドも奪えたことも勝利につながった。石川裕一ヘッドコーチは「あそこまで調子を戻せたのは、シーズンを通じた自分たちの反省点を理解しているからこそだ」と、今季でステップアップした選手たちをたたえた。

 準決勝の相手は昨季1部から降格し、最短復帰を狙う滋賀。村上は「どれだけ自分がチームを引っ張っていけるかが重要になる。完全アウェーの空間を楽しみたい」と、強気な姿勢を崩さずに挑む気概だ。