庄内地方の夏の味覚「南禅寺豆腐」作りが、鶴岡市や酒田市の豆腐店で進められている。おわんのような半球形で、滑らかな舌触りととろけるような食感が特徴だ。

 京都の南禅寺から伝わったとされ、酒田市の豆腐店の先祖が製法を学び、庄内地方で作られるようになったという。南禅寺豆腐を製造する豆腐店は、庄内にかつて約40店舗あったというが、現在は数店舗のみが受け継いでいる。

 鶴岡市宝田1丁目の庄内豆腐(佐藤若葉社長)では、午前5時ごろから作業を開始。豆乳ににがりを入れて作った寄せ豆腐を直径10センチほどの型に入れ、圧力機で固める。出来上がった豆腐は冷水に浸し、手際よく容器に詰めていた。佐藤社長は「庄内ならではの豆腐を食べて、暑い夏を元気に過ごしてもらいたい」と話した。南禅寺豆腐作りは9月上旬まで続く。