千葉県教育委員会は県内の公立小中高校と特別支援学校の児童生徒、教職員を対象に、2023年度のハラスメント実態調査を実施し、22日に結果を発表した。教職員からセクハラを受けたと感じた児童生徒は402人だった。前年度より22人減ったものの、県教委は「児童生徒と保護者のハラスメントに対する意識は向上しているが、教職員の意識が追いついていない」と分析している。(河津真行)

 調査は昨年12月〜今年1月、千葉市立学校を除く公立学校計1111校で実施し、児童生徒42万5232人から回答を得た。

 セクハラと感じて不快だったと回答したのは、中学生が前年度比21人増の185人で最多だった。高校生は同5人減の167人、小学生は同34人減の44人、特別支援学校生は同4人減の6人だった。回答した児童生徒100人あたりの人数は0・09人で、前年度の0・1人をわずかに下回った。

 項目別(複数回答)では、「不必要に体を触られた」「容姿などの身体的特徴を話題にされた」「性的な話・冗談を言われた」などが多かった。「性的な内容の電話・手紙・電子メールなど」を受け取ったという回答もあった。

 具体的な事例では、「部活指導中、具体的な所作を説明する際に、生徒の身体に触れて説明した」「授業中に学級担任から『やせたほうがいい』と声をかけられた」などが寄せられた。

 セクハラ以外のハラスメントを受け、不快に感じたと回答した児童生徒は、前年度比157人増の1239人だった。回答した児童生徒100人あたりの人数は0・29人で、前年度の0・25人を上回った。具体的には、「授業中に威圧的な言葉で指示された」「部活動を体調不良で休むと怒られるので休めない」などの事例があった。

 県立学校の教職員では、全体の0・56%に当たる66人がセクハラだと感じたと回答した。事例別では、「容姿・年齢・結婚・妊娠などを話題にされた」が32人と最も多かった。「執拗しつように交際を迫られた」「性的な画像や動画を見せられた」といった回答もあった。

 県教委は調査結果を踏まえ、児童生徒に相談窓口の周知やパンフレットを活用した啓発を行う。心理や法律の専門家を交えた教職員向けの研修も実施する。県教委教職員課の佐々木恵・管理室長は「大人同士の関係で許容されない言動は、子どもに対する指導であっても許されないという意識を教職員が持つよう指導し、ハラスメント根絶につなげたい」と話している。