【ロサンゼルス=後藤香代】米ロサンゼルス市議会は26日、伝説的女優マリリン・モンローさんが最期を過ごした市内の邸宅を全会一致で歴史的文化財に指定した。隣人が自身の土地を拡張するために邸宅を購入していたが、取り壊しは免れた形だ。

 指定されたのは高級住宅地ブレントウッドの邸宅。1929年に建てられ、62年にモンローさんが購入した。半年後、モンローさんはこの家で薬物の過剰摂取とみられる症状で亡くなった。36歳の若さだった。

 地元紙ロサンゼルス・タイムズによると、隣家を所有する夫婦が昨夏、835万ドル(約13億4000万円)で購入し、市に取り壊しを申請した。地元市議は「歴史の一部を失えば、街にとって打撃となる」と訴え、観光客が訪れやすい場所への移築を提案してきた。

 これに対し、夫婦は「度々邸宅は改築され、以前の姿とは似ても似つかない」と主張し、5月に取り壊しの権利を求めて市を提訴した。観光客やファンが邸宅の外に集まり、近所迷惑になっているとも指摘していた。