大型免許がなくても、バスの運転体験ができます――。運転手不足解消に向け、茨城交通(本社・水戸市)が初めて体験型の会社説明会を29日と5月6日に開く。自動車教習所内で路線バスの車体を実際に運転することで、地域の足としての仕事のやりがいを実感してもらう。

 同社によると、運転手の採用に関する説明会は2014年から開催してきたが、近年は新型コロナの影響や労働規制が強化された「2024年問題」などが絡んで、バス運転手は足りていない。

 そのため、従来の説明会よりも仕事を身近に感じてもらおうと、体験型の説明会を開くことにした。那珂市菅谷の自動車教習所「ドライビングスクール那珂」の協力で、茨城交通の中型路線バスのオートマチック(AT)車を試運転できるほか、現役運転手との座談会なども企画する。

 バスを運転するには大型免許が必要だが、今回は普通免許(AT限定可)を取得して3年以上経過した人なら誰でも体験できる。運転手の待遇や採用スケジュールなどについても説明する。

 茨城交通の担当者は「車を運転できない学生や高齢者にとって、バスは重要なインフラ。運転体験を通して、仕事のおもしろさや働きがいを伝えられたらうれしい」と話している。

 説明会は午前10時からと午後2時からの1日2回を予定。事前予約制。採用専用フリーコール(0120・996・158)で平日午前9時〜午後6時に受け付けているほか、茨城交通のホームページ(https://www.ibako-recruit.jp/)の説明会応募ページから希望日時を申し込む。29日は定員に達したが、5月6日は空きがあるという。(原田悠自)