日立建機は部品サプライヤー46社と協力し、関東―関西間のトラック輸送を月内から効率化し車両台数を削減する。物流子会社が10トントラックと4トントラックを計6台で輸送している体制から切り替え、積層架台を装備したウイングトレーラー2台に集約。車両台数を減らしドライバーの必要人数を削減することで「物流2024年問題」の解決につなげる。成果の検証後、協力企業の数を増やす意向だ。

物流体制の関東拠点は日立建機ロジテックの土浦物流センター(茨城県土浦市)。一方、関西拠点はミニショベルやホイールローダーの組み立てを手がける日立建機ティエラの工場(滋賀県甲賀市)。現在の物流では大型部品は10トントラック、小型軽量部品は4トントラックなどを利用し、土浦物流センターからティエラに運んでいる。

大型部品は重量があるため、走行中に車が傾かないよう設置場所が限定される問題があった。また形状の関係で積載時に上部に空きスペースが生じていた。一方、一部の軽量部品も重ねて積み込むことが不可能で、積載効率が悪かったという。

そこでウイングトレーラー用に大型部品と小型軽量部品を組み合わせ、一緒に積める積層架台を開発した。上部空きスペースの問題を解決しながら、大型車両で一度に多くの荷物を運ぶことで効率的な輸送が可能になった。トラックの合計台数を削減でき、ドライバーも減らせる。

ウイングトレーラーは運転席部分と荷台部分が切り離せる。このため中間地点の静岡市で関西から来たトレーラーと関東から来たトレーラーで荷台部分を交換し、関西から来たトレーラーの部品は土浦物流センターに近い土浦工場(茨城県土浦市)で中型ショベルに組み立てる。


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