大相撲春場所で110年ぶりに新入幕優勝を果たした尊富士(たけるふじ)関(25)の出身地・青森県五所川原市は5月1日、市内で凱旋(がいせん)パレードを開催する。金木地区と市中心部の2カ所で、地元の祝賀ムードが続いている。

 尊富士関は場所中に右足を負傷。状態が心配されるが、8月15日に青森市である夏巡業には参加する方向という。

 五所川原市によると、尊富士関は30日に帰省。5月1日午前、県庁を訪れ県褒賞を授与される。五所川原市役所に移動し、新たに設けられる市民栄誉賞第1号も受ける。佐々木孝昌市長(69)は「偉業を最大限たたえ、五所川原を全国に発信したい」と力が入る。

 パレードは同日午後1時半に始まる。尊富士関は、オープンカーで市金木総合支所を出発。津軽鉄道金木駅手前交差点を右折し「太宰治疎開の家」、「斜陽館」前を通って支所に戻る計約1キロメートルのコースを進む。

 次に市中心部へ移動。午後3時半に「立佞武多(たちねぷた)の館」を出発、市役所までの約900メートルを凱旋する。立佞武多の館の前では、立佞武多「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」も登場し、花を添えるという。

 午後6時からは、後援会が市内雛田のプラザマリュウ五所川原で主催する優勝祝賀会に出席。広く市民に参加してもらうため、パーティー券の販売を検討している。

 凱旋パレードは当初今月24日を想定していたが、日本相撲協会の都合で1週間先の大型連休中となった。同市内の芦野公園では、29日から「金木桜まつり」が開催予定で、大勢の観光客やファンの来訪が予想される。五所川原署と協力し、交通規制も行う。佐々木市長は「ネットで配信することで、臨場感を味わっていただけたら」と話し、ネット中継を検討する考えも示した。(江湖良二)