群馬県の山本一太知事は18日の定例会見で、国民スポーツ大会(旧国体)のあり方について、「廃止とは思っていないが、新しい時代にあった、コンパクトな国スポをつくっていきたい」との考えを示した。県は2029年の本大会の開催にむけ、準備を進めている。

 国スポをめぐっては、全国知事会長をつとめる宮城県の村井嘉浩知事が8日の会見で「廃止も一つの考え」などと問題提起。これをきっかけに、「廃止とまでいかなくても工夫の余地がある」(茨城県・大井川和彦知事)、「大変だから、お金がかかるからということだけで中止になることはあってはならない」(栃木県・福田富一知事)、「人口や財政規模の小さい県には過重な負担。開催県に求められるプレッシャーは相当ある」(千葉県・熊谷俊人知事)など各地の知事が発言している。

 山本知事は、村井知事の問題提起について「共有している感覚」と同意したうえで、開催準備を進める2029年大会に向けて、「あかぎ国体(1983年)のころと、全然状況が違う。同じような経済効果があるかというと、違う」と、時代の移り変わりに応じてコンパクトにしていく必要性を語った。

 国スポは都道府県対抗形式の大会で、競技得点を競い合う。山本知事は「主催した時だけ県外から優秀な人を集めてくるようなやり方はしない」と話し、息の長い強化策や科学的トレーニングの導入といった、アスリート支援策を示した。

 来年1月の冬季大会ではスピードスケート競技が渋川市伊香保町で開かれる。日本スポーツ協会の緊急要請に応じた対応で、冬季大会の会場探しが難航した結果だとして、山本知事は「より時代にあった形に見直されるよう、知事会で積極的に発言したい」と話した。

 また、元サッカー日本代表でザスパ草津の監督を務めた植木繁晴氏が11日に69歳で死去。山本知事は会見で「ザスパ草津の創設にかかわり、Jリーグ参入を果たすなど、数々の功績をおさめた。謹んで哀悼の意を表したい」と述べた。(高木智子)