元県警サイバー犯罪捜査官の木村鷹弘さん(36)=高岡市宮田町=が、増え続けるインターネット犯罪の被害を減らしたいとして、企業や個人を直接支援する情報セキュリティー対策のコンサルタント業を始めた。「将来的には富山の薬売りのようにインターネットドクターとして全国を回り、困っている人を助けたい」と意気込む。 (松村裕子)

 防衛大学校電気電子工学科の卒業研究でロボットを作った際にプログラミングに「はまった」という。卒業後、海上自衛隊の幹部候補生学校に進んだが、途中で辞めて、関東圏で大手独立系IT企業などのウェブエンジニアとして6年間勤めた。出身地の高岡市にUターンして求職し、応募した県警のサイバー犯罪捜査官に合格。2018年からサイバー犯罪対策課でデータの分析作業などに従事した。

 県警時代には被害者から「自分がだまされるとは思っていなかった」と聞き、「どのウイルス対策ソフトがいいか」などと尋ねられた。もっと寄り添って教えたい、公務員ではしづらい助言をしたい、との思いが募り、今年3月下旬に県警を辞め、4月半ばに「KMRクリエイティブスタジオ」を設立した。

 セキュリティー対策の指導を主体とするが、初心者へのパソコンやスマートフォンの使い方、業務効率化のための出張講座も受け付ける。「どこに何を相談すればいいか分からない人や小規模業者を支援したい。どんなウイルス対策ソフトを使っても、最後は自分がだまされたらだめだとも伝えたい」と話す。問い合わせはメールでkmr.studio.toyama@gmail.comへ。