◇23日 ヤクルト0―2広島(神宮)

 広島の停滞ムードを吹き飛ばしたのは伏兵の一振りだった。0―0で迎えた7回2死一塁、「7番・左翼」で2試合連続でスタメンに抜てきされた宇草孔基外野手が右翼席へ先制2ランを放った。

 これが両チーム唯一の得点を運ぶ千金弾となり、「一日一日、次につなげていければという意識が次につながっていると思う」と好調の要因を語った。

 法大から入団して5年目。9日に2年ぶりとなる1軍昇格を果たした。以後、20日の巨人戦(マツダ)で代打本塁打を放つなど、打席に立った試合は5戦連続安打とアピールを続けている。

 この日は家族とともに、常総学院高時代の監督で現在は東京・郁文館高を率いる佐々木力さん(57)らを招いた。「いつまで野球できるか分からないんで、来てくださいって自分から言いました。来年できるか分からないと思っているので」。

 昨季は1軍出場がなく、今季も背水のシーズンに変わりない。恩師の前で放った通算7号本塁打は打線低調のチームを救い、大きなアピールにもなった。