誕生日の7月13日にファンクラブ限定のライブを予定していることがわかった中森明菜

 5月1日にデビューから42周年を迎える中森明菜(58)。その記念日までの毎週水曜日、公式YouTubeチャンネルに動画をアップしていく予定だ。長らく表舞台に出てくることがなかったが、いよいよ動き出した気配の中森明菜。その動きを、大きな喜びと期待を持って見つめている一人が、中森明菜を目指してプロシンガーになったというKayaだ。

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 5月1日のデビュー記念日に向けて、4月3日より毎週水曜日にセルフカバー最新動画を公開している中森明菜。第1弾の『TATTOO-JAZZ-』、第2弾の『BLONDE-JAZZ-』はそれぞれ、1988年リリースの『TATTOO』、1987年の「BLONDE」のジャズアレンジだ。

 動き出した中森明菜に「とにかく“嬉しい!”のひと言に尽きます」と言うのは、“中森明菜になりたい”と歌手を志したプロシンガーのKaya。

 Kayaは、2002年MALICE MIZER(マリスミゼル)のManaのプロデュースにより、ユニット『Schwarz Stein』のボーカルとして活動を開始。尊敬する女性アーティストたちの楽曲をカバーしたアルバム『DRESS』には、中森明菜の『ミ・アモーレ [Meu amor e……]』『難破船』を収めているほか、3月には南米・チリやボストンでライブを行った。

 そんなKayaは、喜びにあふれた声でこう続ける。

「私が歌手だからとか、ファンだからではなくて、中森明菜さんが笑顔で歌ってくれているのが何より嬉しい!

 これまでアップされた動画の明菜さんはどれもカワイイ! 療養期間もあったと言われているので、少しほっそりとされた印象はありますけど、安心しました。元気で何より! 知り合いの明菜さんファンたちとアップされた動画のことを話すと“見た!?”の次に出てくる言葉が“カワイイ!”で、その次は“元気でよかった〜”ですからね(笑)」

「TATTOO」(1988年5月18日リリース)8センチCDジャケットが懐かしい(ファン私物 撮影/中村隆太郎)

■ポニテでノリノリ明菜

 第1弾となった『TATTOO-JAZZ-』では、しっとりしたジャズアレンジでありながら、中森明菜はビートに乗って、ポニーテールを揺らしノリノリ! 歌い終わったあと、カメラ目線で、控えめにダブルピースをする。歌っていることを全身で楽しんでいるようだった。

  動画は話題を呼び、再生回数は『TATTOO-JAZZ-』が465万回、『BLONDE-JAZZ-』が239万回(4月16日現在)。『TATTOO-JAZZ-』を視聴したとき、Kayaは「こういう歌い方をしてくるんだ!」と喜びとともに驚いたと話す。

「昨年、明菜さんがセルフカバーした『北ウイング-classic-』のときも、“こういう歌い方するんだ”と思いましたが、『TATTOO-JAZZ-』もなるほどという感じで、管弦楽と『TATTOO』は合う! 無理にジャズアレンジにしているのではなくとてもマッチしていると思います」
 

■嬉しい想定外!

 一方、第2弾の『BLONDE-JAZZ-』にKayaは「想定外でした」という。

『BLONDE‐JAZZ‐』を歌う中森明菜/中森明菜公式YouTubeチャンネル「AKINA NAKAMORI OFFICIAL」より

 

「2002年にリリースされた『Akina Nakamori〜歌姫ダブル・ディケイド』に、原曲とは異なるアレンジのセルフカバーを収めているんですが、そこには『飾りじゃないのよ涙は』とか『少女A』とか、ジャズアレンジになってもおかしくない、ある意味わかりやすい曲ばかりでした」

『Akina Nakamori〜歌姫ダブル・ディケイド』の収録曲は、「TATTOO」「ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕」「TANGO NOIR」「北ウイング」「SAND BEIGE -砂漠へ-」など全14曲が収められている。このことからKayaは、まさか『BLONDE』でくるとは!?と思ったという。

「当時の都会的な女性をイメージした肩パッドの入ったボディコン衣装でイケイケで歌っていたあの『BLONDE』が“こうくるか!”という嬉しい想定外でした」

 当時、歌番組などで『BLONDE』を歌うときの衣装は、シルクのスカーフのボディコンワンピ。背中は首筋から腰までVの字に肌見せ、もともと細いウエストラインは肩パッドの効果もありさらにシェイプされたものだった。アクセサリーはゴールドのネックレスやブレスレットを重ね付け。

中森明菜の18枚目のシングル「BLONDE」/1987年6月3日リリース (ファン私物 撮影/中村隆太郎)

 衣装からもゴージャスなギラギラ感というか艶のあるあの『BLONDE』にこんなアレンジがあったのかというのは、Kayaの言うように驚きでもある。

「『BLONDE-JAZZ-』は、歌い方にも余裕があって、安心してのびのび歌っているかんじがありますね。

 また、今回のジャズアレンジですが、ピアニストの方がすごい素敵! 全体的に演奏の方の技術が素晴らしいなと思って、スタッフクレジットで名前を調べてしまいました(笑)。

  きちんと明菜さんのいまの声を聞きやすい形で出してくれて、それでいて全体のニュアンスとしてとてもまとまりがあり、楽曲として本当に美しい。明菜さんの魅力を最大限に引き出していると思います。私も歌手として色々な方とお手合わせをさせていただいているので、歌い手と演奏の方との相性も大事だと思っています」
 

■次はどんな仕掛けが待っているのか

 中森明菜のデビュー記念日の5月1日まで、ファンのみならず、どんな仕掛けが待っているのか楽しみである。Kayaももちろん、ワクワクが止まらないという。

「動画がアップされるたびに、“1988年リリースの曲がきたから次は?”とか、明菜さんはどんな思いでこの順番でセルフカバーを出してくるのかとか、謎解きみたいで本当に毎週毎週ワクワクします!

 明菜さんには“ワクワクの未来をくれてありがとう”と言う気持ちでいっぱいです。歌手として、ファンのみんなへ“水曜に動画がアップされるから、その日まで頑張ろう”って活力を与えられるって素晴らしいですよね!」

 と声を弾ませる。歌っている姿が毎週アップされるので、期待してしまうのはテレビやライブなどでの「生」中森明菜だ。

「歌っている明菜さんを見ているだけでも嬉しいので、こんなにも素敵な動画の映像を毎週アップしてくれて、これ以上は望みません……。ですが、もっと、もっと、歌っている姿を見たいので、希望としてはテレビやコンサートでぜひ“生”で明菜さんを拝見したいです」

公式YouTubeチャンネル「AKINA NAKAMORI OFFICIAL」にアップされた「TATTOO‐JAZZ−」を歌唱する中森明菜

 Kayaは昨年末、「NHK紅白歌合戦に中森明菜サプライズ出演」の望みを捨てず、自身のカウントダウンライブを休んで待っていた。その希望はいまも継続して抱いている。

「歌番組で生放送といえばNHK紅白歌合戦という大きな舞台があります。今年こそ、明菜さんを紅白で見たいと思っています!

 私も歌手として出場して、明菜さんとそのステージでご一緒したいと自分のXでもちょいちょいつぶやいています。明菜さんのみたいに、動画が毎週上がるだけで、これほどまでに私たちに活力を与えてくれる歌手になれるように日々精進してまいります!」

 16日には、中森明菜の誕生日の7月13日にファンクラブ限定のライブを予定していることも、明らかになった。動き出す中森明菜から、今後も目が離せない。(AERA dot.編集部・太田裕子)

プロシンガーで中森明菜ファンでもあるKaya