「兄弟姉妹」の関係性は、成長する過程で大きな影響を与えます。心理カウンセラーとして20年以上活動を続けてきた根本裕幸さんいわく、「兄姉がいるか、弟妹がいるか、また何番目に生まれたかによって、人生観や性格がある程度決まる場合がある」とのこと。今回は、きょうだい関係がもたらす、恋愛観への影響についてご紹介します。

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ダメ男ばかり好きになる女性

よく耳にする恋愛の「あるある」に兄弟姉妹の影響がどれくらい色濃く出ているのか、考えてみたいと思います。

ただ、ここで扱う問題はとくに個人差が大きく、両親との関係や思春期の人間関係、過去の恋愛なども強く影響してきますので、兄弟姉妹との関係だけが原因とは言い切れません。この恋愛の問題にはこういうきょうだい関係が影響を与えやすいという視点で見ていただければと思います。

まずは、「ダメ男ばかり好きになる女性」です。ダメ男を好きになる女性は主に3つのパターンに分かれます。

(1)自分に自信がなく、ダメ男くらいじゃないと相手にされないと考える女性
(2) 男性の面倒を見ることが好きで、男を「砂糖漬け」にしてしまう女性
(3) 罪悪感が強く、幸せな恋をすることを自分に許せない女性

これらのパターンに兄弟姉妹の関係がどう影響するかを考えてみましょう。

(1)は、「他の兄弟姉妹が優秀で、両親やまわりの人が彼・彼女ばかり注目していた。その結果、自分に自信が持てなくなってしまった姉妹」が想定されます。

他にも「自分の居場所や存在意義を感じられないまま育った中間子」「兄姉よりも年が離れていて、小さい頃から“何もできない子”として扱われてきた妹」も当てはまるでしょう。

(2)もありがちな問題ですね。こんなふうに男性をとことんまで甘やかしてしまう女性は、厳しい言い方をすると、「ダメ男メーカー」と言っていいかもしれません。

これは「弟や妹、ときには親の面倒ばかり見てきた姉」が当てはまります。

私のクライアントさんにもよく見受けられるケースですが、面倒を見ることがくせになってしまい、恋愛においても面倒を見なければいけないようなダメ男に惹かれてしまうのでしょう。

また、他の兄弟姉妹に何らかの罪悪感を持っているのが(3)のケースです。

ただし、多くは親子関係に原因がたどれるケースが多いと思われます。

ここでは「ダメ男にハマる女性」を分析しましたが、この姉妹を兄弟に変えると、「問題のある女性とばかりつきあう男性の心理」にそのまま置き換えられます。