赤ちゃんと犬や猫が仲良く触れ合っている姿は、可愛いと可愛いの融合でもあるため、SNSでも話題を集めることがある。着ているパジャマの中に猫を入れて抱っこしている1歳の息子さんの姿をおさめた動画が、280万再生を超える反響を呼んだ。一方、ストーブの前で仲良く輪になっている0歳のお孫さんと5匹の猫の姿が、460万回再生を超える反響を呼んだ。そんな様子を見守るお母さんと飼い主さんに聞いたエピソードを、改めて振り返る。

◆「“お世話をしたい”という欲が生まれてきた」 1歳息子と猫の関係性に母もほっこり

 いつもお母さんがしている抱っこ紐のまねをしている1歳の息子さん。着ているパジャマの中に猫ちゃんを入れ込み、抱っこしてうれしそうに歩き回る姿に、「ぬいぐるみかと思ったら猫でびっくり!!」「可愛いが可愛いを挟んでる」「よくお子ちゃまに爪も立てず…偉いなあぬこ様」などのコメントが寄せられ、280万再生を超える反響があった。

 赤ちゃんの頃は猫ちゃんが息子さんの上に乗ったり見守ったりしていたが、成長と共に接し方に変化が起きてきたという。

「1歳頃から『お世話をしたい』という欲が生まれてきたようで、あのような光景が見られるようになりました。抱っこして歩けてご満悦な息子と、付き合ってやるかという猫の表情が可愛くて、愛おしい気持ちでいっぱいでした」

 息子さんは怖いものなしの愛嬌たっぷりな性格。5匹の保護猫と共に暮らしているが、猫ちゃんたちは人が大好きな子が多い。そんな息子さんと猫ちゃんたちの関係性を「兄弟のような感じ」とお母さんは分析する。

「息子にしつこくされて嫌かなと辞めさせると、自分から近づいて行ってゴロンとするので、不思議な関係です。成長過程と共に、その時期の相棒が変わっています。写真を見返すと、一番近くにいる猫が数ヵ月ごとに違うので面白いです」

 5匹の猫ちゃんたちは、人間に対しても猫に対しても攻撃性が全くなかったので、安心して息子さんを出産できたそう。

「ただ、猫に対してと同じ感覚で息子がわんちゃんに手を出してしまい、噛まれそうになったこともあるので、ペットの性格をしっかり理解し尊重することは大事だなと思います。一番大変なのはとにかく掃除です。1日何回掃除機をかけるんだろうと思うこともあります」

 息子さんが1歳になった頃、猫ちゃんが病気になってしまい、病院と自宅での看病を日々くり返していたことがある。

「息子には少し我慢をさせてしまったのですが、『薬を飲ませたい』『強制給餌や点滴をしたい』と、薬を持ってきたり拭いてあげたりする行動が見られるようになったときは、その成長と猫との関係性に心が打たれました」

 息子さんと猫ちゃんたちとの接し方を含めて、「春夏秋冬のあまり心に留めていなかったことや少しずつ憂鬱だった部分が、全て楽しくて終わってほしくない貴重な時間や経験に変わりました」と子育ては「毎日が感動の連続」とお母さんは言う。

◆「我が家の冬の風物詩です」輪になってストーブを囲む0歳孫と5匹の猫が可愛すぎる

 5匹の保護猫ちゃんたちと一緒にストーブの前で暖まる0歳のお孫ちゃん。それぞれが座布団にちょこんと座り、輪になって仲良くストーブを囲む姿に、「めっちゃ可愛い椅子取りゲーム」「理想の暖まり方」「井戸端会議してそう」などのコメントが寄せられ、460万再生を超える反響があった。

 丸い石油ストーブの周りに猫ちゃんたちが集まってのんびりするのは、「我が家の冬の風物詩です」と飼い主さんは言う。

「ストーブの周りに丸い座布団を敷くと、猫たちは自然と集まって来ます。猫の習性で、何かの上に座りたいみたいです」

 この5匹の猫ちゃんたちは、みんな保健所に収容されていて、殺処分の対象だった子たちだそう。

「そんなこの子たちの姿を見て『癒される』『ホッコリする』『優しい気持ちになる』などとコメントをいただいた時は、“この子たちが生きている意味”みたいなものがあったようで、助けて良かったなとしみじみ思うことがあります」

 猫を飼うようになったきっかけは、野良猫親子が家のデッキの下に引っ越して来たことにある。その中で一番弱かった子を親猫は置いて行ってしまった。

「猫風邪も引いていて、目ヤニで目も潰れてグジュグジュでした。助からないかなと思いましたが、1人寂しく亡くなるよりは暖かいところで看取ってあげようと保護したら元気になってくれました。ただ、先天性の病気があり、ワクチンを一度打つと副作用がひどく、その後は打てなくて…。6年ほど我が家で生活して虹の橋を渡り、現在は保健所出身の子だけになっています」

 猫を飼ったことでプラスになった面も多く、お孫さんは猫ちゃんたちを追いかけるためにハイハイを覚え、スピードも早くもなったそう。

「次男は気づいた時に水をあげたり、時間になれば餌をあげたりと、必要なことを自分で判断して行動してくれるようになりました」

 保健所の猫はまだ排泄が上手にできない状態の子も多く、親猫が舐めてきれいにしてあげないのでかなりの悪臭がするという。

「でも、長男も次男もそんな子たちを素手で優しく抱き上げ、連れて帰りました。正直、私も触ることに少しためらったほど…。なので、その時はちょっと感動しました。また、猫たちが孫と初めて対面した時、何度も覗き直していた姿がとても微笑ましく可愛かったです」