2024年5月8日、香港メディア・香港01は、上海市で自らフグを調理して食べた市民がフグ中毒と思われる症状を発して病院で手当てを受けたと報じた。

記事は、同市在住の王(ワン)さんが先日、「数時間前に友人と自分で煮たフグを食べたところ、舌や手足がしびれ、めまいや胸の苦しさが生じた」として同市浦東新区の病院で診察を受けたと紹介。医師が検査結果も踏まえてフグ中毒の可能性があると判断し、胃洗浄などの治療を施した上で経過観察を行った結果症状は好転し、すでに退院したと伝えた。

王さんによると、2人の友人とともに養殖フグを食べたとのこと。肉の部分のみを食べた友人は食後に不快な症状が出なかったのに対し、王さんは肉だけでなく肝臓も食べたところしびれなどの症状が出たという。

記事は、医師の話として、フグの体内にある毒素は主に肝臓や卵巣に集中しており、筋肉や血液にも少量の毒素が含まれていると紹介。季節によって毒素の量は変化し、春は最も毒性が高まるとした。また、フグの毒はフグが主食とする貝類や甲殻類に含まれる細菌が分泌するテトロドトキシンであり、養殖フグは餌の違いによって毒性が天然物より低減しているものの、それでも卵巣や肝臓には強い毒が残っていると指摘。もし王さんが天然物のフグを食べていたら、もっと重篤な状況に陥っていたかもしれないと伝えた。

そして、フグの毒に特効の解毒薬はなく、対症療法による治療が行われるとし、医師が「フグを食べて不快感を覚えた場合は直ちに吐き出した上で病院に行くこと。資格のある飲食店でフグを食べるようにし、その際も卵巣や肝臓は避けるようにすること」と呼びかけたことを紹介している。(翻訳・編集/川尻)