WWEのPLE「バックラッシュ」(4日=日本時間5日、フランス・リヨン)が行われ、新日本プロレスに3月まで参戦していた元IWGPタッグ王者のタンガ・ロア(40)が衝撃の登場。義兄のタマ・トンガに続き、ユニット「ザ・ブラッドライン」入りを果たした。

 プロレス界の名門一族「アノアイ・ファミリー」を中心に結成されたブラッドラインはWWEマットを支配してきたが、4月の祭典「レッスルマニア40」でリーダーのローマン・レインズが長期政権を築いた統一WWE王座から陥落。代わりにソロ・シコアが実兄のジミー・ウーソをユニットから追い出し、元新日本プロレスのタマを新メンバーに引き入れていた。
 
 この日はシコアとタマがタッグを組み、〝毒蛇〟ランディ・オートン&〝KO〟ケビン・オーエンズの強力コンビと激突。これがタマの本格的なWWEデビュー戦となったが、両チームはゴング前から大乱闘を繰り広げたため、試合は急きょ反則OKのノーDQマッチとなった。テーブル、イス、竹刀が投入された大激戦は、タマがオーエンズの変型雪崩式ブレーンバスターでパイプイスに叩きつけられた。

 フォール負け必至の大技だったが、黒Tシャツに黒パンツの男がレフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。この黒装束がタンガだったのだ。タッグパートナーで兄の危機を救ったタンガは、鉄階段で場外のオートンを殴りつけると、リング内のオーエンズにも一撃をくらわせた。

 シコアはオーエンズに、イスへの裏投げから必殺のサモアンスパイクをぶち込んでKO。3カウントを奪ってブラッドラインが勝利を手にした。電撃登場に驚く〝ワイズマン〟ポール・ヘイマンをにらみつけながらリングに上がったタンガはシコア、兄タマとともに右人さし指で天を指して、ブラッドラインの新メンバーとなったことをアピールした。

 キング・ハグ(プリンス・トンガ)の息子として育ったタンガは、2008年にプロレスデビューして、09年にはWWEと育成契約を結んだ。11年12月には「カマーチョ」のリングネームでWWEデビュー。NXTを中心に出場したが、14年6月に退団した。16年から新日本に参戦し、「バレットクラブ」のメンバーとして活躍。兄タマとのコンビでは、IWGPタッグ王座を歴代最多の7度獲得した。

 3月31日の新日本・浜松大会では、KOPW保持者だったグレート―O―カーンに挑戦。「地方再生マッチ〜浜松編〜」と銘打たれたタイトル争奪戦では、2ラウンド目に浜松餃子の大食い5分間対決に挑み、敗れたばかりだった。

 餃子早食い対決を最後に新日マットから姿を消して、世界最大団体のフランス決戦で古巣復帰。大きなサプライズを起こしたタンガが、WWEマットとブラッドラインの今後に嵐を呼びそうだ。

 この日の「バックラッシュ」は「ABEMA」にて生中継された。