千両役者だ。ソフトバンクは5日の西武戦(ベルーナ)に4―0で快勝。痛快な〝ギータ劇場〟で連敗を3で止めた。

 まずは足で魅せた。「3番・DH」で出場した柳田悠岐外野手は初回二死から遊内野安打で出塁。続く4番・山川穂高内野手が左右間を破る二塁打を放つと一塁から一気に生還。激熱のヘッドスライディングで先制点を生んだ。山川は「ギータさんがよくホームまで走ってくれました。ありがとうございます」と、リーグトップとなる30打点目よりも激走した柳田に最敬礼した。

 バットも全開だ。4回の第2打席は隅田の直球を右翼ポール際中段へ4号ソロ。打席で一歩も動かず打球を見送る特大の一発だ。「打ったのは真っすぐ。いいスイングができました。追加点となるホームランを打つことができて良かったです。完璧です」と誇らしげに振り返った。

 そして7回一死満塁で迎えた第4打席は2番手・本田のシンカーを泳ぎながらも中前へ運ぶ技ありの2点適時打。「いい打ち方ができたと思います。チャンスを生かすバッティングができて良かったです」とこちらも納得の一打で、柳田は全得点にからむ独壇場となった。

 5月1日の楽天戦からの3連敗中、柳田は打数無安打とすべて4タコに終わっていた。それが4打数3安打3打点の大暴れで連敗もストップ。チームの勝敗を左右するのはやはりこの男で、それが主砲だ。
  
 この日は「こどもの日」で、球場には多くの家族連れが詰めかけた。「こどもの日」は2014年から二つの引き分けを挟んで8連勝。背番号9はヒーローインタビューで「皆さん、野球をしましょう!」と呼びかけた。魅惑のプレーで鷹はもちろん、球界をけん引する。