節約は我慢ではない!今ある物で工夫して楽しみながら暮らす、シニアブロガーの紫苑さん。年金月5万円、70代の今が心身ともに一番充実しています。「今が一番幸せ」という衣食住のヒントを教えてもらいました。

<教えてくれた人>
シニアブロガー 紫苑さん(東京都 72歳)
30代の息子と娘は独立し、築47年の一戸建てで1人暮らし。ブログ「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」が大反響。著書に『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)他。

節約=我慢ではない。「この予算で何ができる?」と工夫して楽しむことで、不安がなくなりました

50代までシングルで子育てしながら、フリーライターとしてバリバリ働き、家計管理とは無縁の生活を送っていた紫苑さん。

「コロナ禍で収入がほぼゼロになり、69歳で初めてお金と向き合うことに。年金月5万円のやりくりを試行錯誤するうち、『節約は、限りあるお金をどう使うか考える知的な作業』だと気づきました。今ある物で工夫することを楽しめるようになり、お金の不安が消滅。さらに、自炊で食生活が整ったおかげで体も元気に!70代の今、心身ともに一番充実しています」。


●紫苑さんの1カ月の家計表
【収入】国民年金   5万円
フリマアプリでの売上金など、臨時収入は家計に含めず、交際費や交通費の足しに

特別出費用積み立て  8000円
固定資産税、NHK受信料の月割りなど
水道・光熱費  7700円
通信費 7500円
食費  9000円
日用品費  1000円
書籍代  1300円
交通費  2000円

残し貯め  1万3500円
病気などの緊急時の備えに

65歳で中古一戸建てを一括で購入。住居費はかからなくなったけど、貯蓄はほぼゼロに!

古着をリメイクしてオリジナリティーを楽しむ

「おしゃれが大好きだから、自分なりにアレンジするのが楽しい」。リサイクルショップやプチプラブランドの服に端切れを縫い付けたり、襟周りや袖をリメイクして、個性を出しています。

プチプラ着物をまとって、特別感を味わう

高価な着物にハマったこともありますが、今持っているのはプチプラな物ばかり。「着物姿で、公園を散歩したり、カフェに行くだけで、気分が上がります。体形や流行が変わっても長く着られるので、コスパもいいんです」。

シンプル調理が基本。“量から質”に転換したら、疲れにくい体になった

節約料理でも、味付けや見た目にこだわっています。「安い食材でもちょっといい調味料を使えばレストラン風に。一品ずつゆっくり味わうことで満足度が得られるし、食べすぎないので体も快調です!」。

たんぱく質、旬の物を中心に、4日分1000円が目安

購入する食材は、「肉(または魚)、卵、牛乳、豆腐、野菜」でルーティン化。「旬の野菜は栄養価があるうえ、お買い得。3〜4日で食べ切れる量しか買わないから、ムダにすることがありません」。

●紫苑さん流 節約料理を楽しむコツ
□ 外食風のしゃれた名前をつけてランクアップ!
例えば、いわしの油煮は「オイルサーディン」、焼き魚は「ポワレ」、余った鶏肉で「チキンのゼリー寄せ」、鍋の残りで「シュークルート風」など、洋風のネーミングで気分を高めます。

□ おかずの作り置きはしない
体調によって食べたい物は変わるし、作り置きがあると「食べなきゃ」という義務感が生まれてしまうので。その都度、肉や野菜をサッと焼くだけでも、おいしく味わえます。

□ ちょっといい調味料を使う
使う食材がシンプルなので、調味料でバリエーションを付けています。例えば、バルサミコ酢とはちみつしょうがを合わせたソースを野菜焼きにかけるだけでグレードアップ!

お気に入りの絵が1枚あるだけでパワーアップ

知人の画家からいただいた絵画をリビングの壁に。「絵のパワーが感じられ、運気も良くなった気がします。この絵を中心に好きな物だけを置いているので、気持ちが安らぎます」。

築47年の中古住宅。プチDIYで自分好みの空間に

100均グッズなどを使って、少しずつ手を加えています。「キッチンの扉には壁紙シート、窓枠には端切れやクリアファイルを貼ってパッチワーク風に。自分好みのブルー系の空間になりました」。

※本書の一部は、『サンキュ!』20年1月号〜 23年8月号に掲載された記事を抜粋、加筆、再編集しています。
※名前、年齢、家計については取材当時の情報を掲載しており、現在とは変わっていることがあります。
※名前は本人の希望により仮名を使用している場合があります。

参照:『サンキュ!』2024年4月号「50代からの身軽で豊かな暮らしBOOK」より。掲載している情報は2024年2月現在のものです。
編集/サンキュ!編集部