いまは子育てや仕事に忙しい夫婦も、十年も経てば子どもたちは巣立ち、ふたりだけの時間がやってきます。そうなったとき、夫婦関係が冷えきっていたらお互いツライですよね。

そこで今回は、40、50代夫婦が30年後も円満でいつづけるためにいますぐ始めるべきことを、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに教えてもらいました。

じつは子育て期間よりも長い、夫婦2人だけの時間

厚生労働省が発表した令和3年度「出生に関する統計」によれば、母親が第一子を産む平均年齢は2019年度で30.7歳。すなわち子を持つ夫婦の場合、多くの妻にとって30代は乳幼児の子育てに追われる時期だと考えられます。

そんな忙しい時期を抜け出すのが40代。

子どもも10歳を超えると、親の元を離れて、だんだん友だち同士の世界が増えてきます。50代になれば子どもも成人を迎え、親としての役割も8割は終わったようなものです。

そんな子育てが終わったあとにやってくるのが、夫婦2人だけの時間。

人生100年と言われる時代ですから、子育て期よりもその後の時間の方が長い場合もあるでしょう。

そんな夫婦の時間を楽しいものにするために、40代、50代がいますぐ始めるべき5つのことをご紹介します。

1.視線を今までより10cmあげて話してみる

「うちは、ちゃんと挨拶をしています」「我が家は毎日夫婦の会話があります」という夫婦でも、意外とやっていないのが「相手の目を見て話をする」こと。

日々の会話を振り返ってみると、意外と何かをしながら声をかけたり、目を合わせないままうなずいたりして答えていませんか?

視線を10cm上げると、相手と目が合います。

コミュニケーションで最も大事なのはアイコンタクト。目と目があえば、自然に笑顔も生まれ、声もワントーン高くなります。今日から視線を上げて話すようにしましょう。

2.2人きりのお出かけ再開は3ステップ

子どもと離れることができなかった乳児・幼児の時期を過ぎ、気が付けばもう我が子はひとりで(あるいは兄弟姉妹で)お留守番ができる年齢ではありませんか?

そろそろ、夫婦2人きりのお出かけを再開する時期。

まずは短時間でできる近所のお散歩や買い物。その次にはカフェやランチ、映画など昼間のお出かけ。

お子さんがさらに大きければ、ライブやディナー、バーや居酒屋など夜のお出かけも大丈夫。

スーパー → カフェ → 居酒屋

の3ステップを意識して誘いましょう。

ふだんは会話が弾まないカップルも、お出かけを企画するだけで、いろいろな話題が生まれます。Instagramで見つけた夜景が見えるダイニングとか、昔ふたりでよく通った定食屋さんとか。「駅近くのあのカフェで告白してくれたよね」というワードが出れば、あとはトントン拍子です。

そして忘れてはいけないのが「おしゃれ」。

いつもはジーンズ・Tシャツ・スニーカーの方も、お出かけのときはワンピースにヒール、髪を巻いてみるなど、ちょっと気合を入れてください。なぜ結婚後、妻は気合を忘れ去ってしまうのか(夫もしかり)。いつもと違う妻の姿に夫も惚れ直す……かもしれません。

3.記念日をきっちり祝う

「子どもの誕生日はちゃんと祝うけど、自分たちの誕生日はもうどうでもいい……」なんて言わず、夫や妻の誕生日もきちんとお祝いしましょう。

結婚記念日も、年月が経つにつれてお祝いサボりになってきます。

プレゼントを贈らなくても、小さな花鉢を買ってきて飾ったり、スイーツやワインなど2人で楽しめるものを準備したりするだけでじゅうぶん素敵なお祝いになります。

4.一緒にできることを探して、始める

夫婦それぞれが単独で行うソロ趣味以外に、2人で一緒にできることを何か見つけるのもアリです。

スポーツや旅行など家の外ですることでもいいですが、もっと簡単にできる「寝る前のストレッチ」がじつはおすすめです。

2人でお互いを引っ張りあって体側を伸ばしたり、前屈の際に背中を押してあげたりなど、自然とスキンシップができるので仲良し効果も抜群です。

コロナ禍によって、YouTubeなどには良質のエクササイズ動画が大増加しているのでお手本はいくらでもあります。まずはエクササイズ動画の検索を2人でいっしょに始めてみてください。

5.「死ぬまでにやりたいこと」を書き出してみる

「人生100年」とは言いつつも、「健康寿命は75歳」くらいと考えると、自由にやりたいことができる時間も限られてきます。

どちらかが認知症を発症したり、膝や腰が痛くなったりして自由に動けなくなるのが高齢夫婦の現実。40歳を過ぎたら「死ぬまでにやりたいこと」をお互いに書き出してシェアすることは、2人の将来を具体的にイメージできる最適なシミュレーション。

想像もしていなかった相手の夢や願望を知るチャンス。

「え?ハンググライダーしたかったの?」
「ネイルサロンオープンしたいのか。経理は俺がやるよ」

など、意外な夢がこぼれてきます。

いろいろ出てきたお互いの希望をすり合わせ、将来の目標が決まれば、それに向けて経済面や健康面で準備すべきことがあぶり出されます。


5つのうち、自分たちが「できていないな」ということがあったら、ひとつでもいいので実行に移してみてください。30年後の2人の姿が少し変わってくることでしょう。


◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

構成/サンキュ!編集部