和歌山県みなべ町は、国民健康保険加入者を対象にした2022年度特定健診(メタボ健診)の受診率(速報値)が51・4%で、県内で唯一50%を超えたことが県のまとめで分かった。県内30市町村の平均は36・8%。印南町は37・3%で平均を上回った。一方、田辺市は31・0%で、県内ワースト3となった。
 特定健診は、糖尿病など生活習慣病の予防のための健診で、メタボリック症候群に着目している。身体計測や血圧測定、血液検査、尿検査、診察などがある。40〜74歳が対象。医療保険者が毎年実施しており、市町村では市町村国保の加入者を対象に行っている。
 みなべ町の受診率は前年度から0・5ポイント増えた。男女別で見ると、男性が50・2%、女性が52・6%で女性の方が高い。年齢別では60〜64歳が54・9%で最も高く、40〜44歳が44・8%で最も低くなった。
 町健康長寿課は、19年度から健診の申し込みをしていない対象者に再度健診の必要性などを書いたパンフレットや案内を送っており、これによって受診率の高さを維持できるようになったという。受診者に昨年度はごみ袋をプレゼントするなどの受診を促す取り組みをしている。
 また、今回の県発表の数値には含まれていないが、若い時から健康への意識を持ってもらおうと、35〜39歳の国保加入者を対象に町の独自事業として健診を行っている。
 印南町の受診率は前年度から1・3ポイント増加した。年度初めに全対象者に案内を送付しているほか、前年度に受診した人のうち10月の実施日終了時点に未受診の人に、個別に案内を送って受診を促しているという。
 町では若年齢から健康への意識を高めてもらおうと、20〜39歳を対象に、特定健診と同じ内容の健診を受けることができる生活習慣病予防健診を町独自で実施。若い年代から健診の受診を習慣にしてもらいたいという。
 一方、受診率が県内30市町村でワースト3となった田辺市は、これまでも電話やはがきで通知し受診を促してきたが、本年度から通知の回数をこれまでの年2回から年3回に増やしたり、通知のタイミングを早めたりするなどし、受診率の向上を図りたいと話している。
 県の速報値によると、県内30市町村のうち受診率トップ3は(1)みなべ町(2)日高川町49・0%(3)北山村46・2%。ワースト3は(1)高野町22・9%(2)串本町30・3%(3)田辺市―となっている。