<中日クラウンズ 初日◇2日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース (愛知県)◇6557ヤード・パー70>

“東洋のマスターズ”とも言われる歴史ある大会の初日。2010年大会で世界記録となる「58」を叩き出した石川遼が5バーディ・1ボギーの「66」をマークし、暫定首位タイでホールアウト。14年ぶりの大会2勝目へ好スタートを切った。


先週の日欧共催大会「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」で予選落ちを喫し、今大会までの間にスイング修正を行った。「先週の反省。自分のなかで(原因が)絞れていたので、それに費やした。思った方向には修正できているなという感じです」と調整の成果が出てきていると話す。

ショットのみならず、「タッチが合ってきている」と話すパッティングも好発進の要因だ。前半12番パー4では2打目をピン3メートルにつけてバーディ先行。前半の最終18番では、ピン右5メートルからバーディパットをねじ込み後半へ向かった。バックナインでは4番パー3で1つスコアを落とすも、次の5番でバウンスバック。続く6番もバーディを奪った。

多くのギャラリーが見守られた最終9番パー4。手前から6メートル、左から3メートルのピン位置で、手前にバンカーがある難しいショットをピン左3メートルにつけた。1打でカップに沈めてバーディフィニッシュ。ギャラリーからの拍手と大歓声が響いた。

「パーが支えてくれているスコアでもある。バーディを獲るだけではいいスコアは出ない。ボギーを打たないようにバーディを獲らないといけない」。難度の高い和合は少しのミスで簡単にボギーを打ってしまうところだが、1ボギーで抑えた。調整したショットを最大限に生かすパッティング。プレーがかみ合って好スコアにつながった。

開催前のインタビューでは、世界最少ストローク「58」をマークした当時の自分を「割り切っていた」と振り返っていた。「自分の判断を信じて最後までやり切る」ことができていた過去の自分が、いまの目指す位置だとも明かしていた。

そんなテーマを持って挑んだきょうは、「できましたね。自分のやりたいことができた。行きたくないなというところに行かずに済んだ」と納得の一日となった。「去年よりも(開幕戦の)東建からできている」。今年のテーマでもある「自分をコントロールすること」が少しずつ実現できている。

「あすも自分の強みを生かしてやれたらなと思う」。このまま首位発進となれば、今大会では自身初。このままペースを崩さずに、最終日まで上位を保ちたい。(文・高木彩音)


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