<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇2日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

「この時期はいつもショットがしっくり来ていないなかでプレーしていて…」。“苦手の春”に行われるメジャー大会の初日。原英莉花は納得のいく内容で、グリーンをおりることができた。スタートの10番でいきなりボギーを叩きながら、終わってみれば2アンダー・8位タイ。「このコンディションのなかアンダーに戻せて良かった」と、上位フィニッシュにうなずく。


ポイントになったのは、開幕前日に一日中降り続いた雨によりボールが止まりやすくなったグリーン。練習ラウンドから硬く、速く仕上がっていたグリーンだったが、この日は水気を含み、若干の軟らかさも感じるほどに。その効果もあり、後半の4番で残り154ヤードから7番アイアンで6メートルにつけてバーディを奪うと、7番で4メートル、8番で6メートルを沈めて、終盤で伸ばすことに成功した。

「ティショットが比較的フェアウェイをとらえることができたので、計算がしやすかった」というのも、そのプレーを支える大きな要因になった。フェアウェイキープ率は78.5%(11/14)だったが、これは開幕前の試行錯誤が実を結んだ結果でもある。

練習日の打撃レンジには、ドライバーのシャフトをテストする原の姿があった。そして何本も試した結果、グラファイトデザインの『TOUR AD GP』から『TOUR AD IZ』(フレックス5S)への差し替えを決断。その意図については「(3番以下の)ウッドと同じ流れにしたかった。今までは左に行くのを少し嫌がってドライバーだけ少し硬めにしていたんですけど、同じ流れでもいいかなと。ひっかかりもなかったので」と説明する。

今週は同じくIZを差している3番ウッドのフレックスを5Sにしており、そこで連動が高まる。またGPからIZにすることで、しなりが増してしまうが、ドライバー、3番ウッドのシャフトの先端を0.5インチずつカットし、そこもクリアした。これで「プロアマでも何本か試して、コース内でいいボールが打てたので自信を持って振れました」と好感触を得ることに成功。さらに「手に伝わる感触と、飛んでいくボールの姿が一致しないと気持ち悪い。難しいコンディションになった時に振り切れないので、そこが合う1本があれば」という狙いもある。

また、こちらも直前まで迷っていたアイアンはキャロウェイのヘッド『APEX CB』に、日本シャフトのスチール『N.S.PRO』のプロトタイプを使用することで落ち着いた。感触は「しっくりきていますね」。パーオン率は61.1%(11/18)と、こちらも変更直後ながら及第点といえる結果だ。

ここまでの今季7試合で3度の予選落ち。メルセデス・ランキング66位となかなか波に乗れない序盤戦を送っているが、本人のなかでは「しっくりくるものがあれば、すぐにスコアに結びつくという感覚もある」と焦りはない。そして、このメジャー大会で“しっくりくる”要素を見つけられれば、今後に向けても大きな一歩になる。

この日は4つあるパー5でバーディなしと、まだ伸ばす余地もしっかりとある。「ピンポジションにもよるけど、(パー5で)バーディが奪えればいいな。(2日目は)1番スタートだし気持ち良く、流れをつかみながらいきたい」。「日本女子オープン」、「JLPGAツアー選手権リコーカップ」に続くメジャー3冠目に向け、まずはいい滑り出しを切ることができた。(文・間宮輝憲)


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