今年1月に84歳を迎えた“帝王”ジャック・ニクラス(米国)は、2010年から毎年「マスターズ」のオナラリースタートを務めている。今年も4月11日、1番ティに立つと華麗なスイングでパトロンを沸かせた。


ティをグランドにさすのが「これが一番大変だ」と話し、「年に1度くらいしかもうゴルフはしない」と語っていた。そのニクラスは、スコッティ・シェフラー(米国)が2枚目のグリーンジャケットを獲得した数日後、3度もオーガスタ・ナショナルGCをプレーしたと言う。そのスコアは…「88、90、そして91。トータル269だから、もし4日間だったらかなり良いスコアだ」と2日、自身が主催する「メモリアル・トーナメント」(6月6〜9日)のメディアデーで明かした。ちなみにシェフラーは66・72・71・68の「277」だった。

「だから私はもうほとんどプレーをしていなかったんだ。オーガスタにはフォワードティがないし、全長6400ヤードはプレーできない。ティショットは190ヤードしか飛ばない。昨年は1回、一昨年も1回しかプレーしていない。だけど今年はすでに4回プレーしている…」と笑う。昨秋にはパームビーチポスト紙のインタビューで「またプレーできるか分からない」と話していた。

メジャー18勝を誇るニクラス、「できることならまたプレーをしたいけど、ひどいプレーだからほんとうに楽しくない。そしてボールが足りなくなってしまうんだ…」という。

マスターズは6勝で最後に勝ったのは1986年。ニクラスにとっての最後のメジャー勝利だった。マスターズからは2005年に引退、その後は開幕前日のパー3コンテストに出場していたが、2022年が最後の出場となった。

そんなニクラスは、今年もオハイオ州ダブリンのミュアフィールド・ビレッジで行われるメモリアル・トーナメントのホストを務める。(文・武川玲子=米国在住)


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