<RKB×三井松島レディス 初日◇10日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6305ヤード・パー72>

17歳のアマチュア・藤本愛菜(あいな、沖学園高3年)が地元・福岡で好プレーを見せた。5バーディ・2ボギーの3アンダーで、首位と2打差の9位タイでホールアウトした。


昨年11月に行われた「大王製紙エリエールレディス」以来のレギュラーツアー参戦に「緊張はありました」。ドキドキのラウンドだったことを明かす。前回出場した大会は今年4月に大分県で行われたステップ・アップ・ツアー「フンドーキンレディース」。結果は予選こそ通過したが63位。「ショットが全然かみ合っていなくて、コーチに相談して改善していったことがきょうのスコアになった」と反省もある。

このコーチとは、上田桃子、吉田優利、渋野日向子を指導する辻村明志氏で、今週はキャディとして藤本を支えている。ショット改善の理由は、辻村氏との”大改造”にあった。

「スイングを大幅に変えました。一から見直してグリップの握り方だったり、力の入れ方もすべて」と根本から見直し。様々な取り組みを行ってきたなかでも、大きな変化は「フックグリップをやめた」こと。その効果もあってか、持ち球のドローボールの精度が格段にアップし、この日のスコアにもつながった。

さらに、憧れの先輩として名前を挙げる上田と吉田のアドバイスも効果てきめんだ。「間近で(プレーを)見て、球筋や音、スイングからイメージの仕方まで教えてもらって、全体的に変えて良くなりました」。また渋野のグリーン周りにも、くぎ付けになったという。「上手いし、バンカーでのスピンの入り方も全然違いますね」。先輩たちの技も盗みつつ、自分の”もの”として吸収していっている。

ラウンドを振り返るなかで出た名前が、先週の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でアマチュアVを達成したリ・ヒョソン(韓国)だった。そのことについて聞かれると「友達なんです」という回答が返ってくる。藤本とヒョソンは日韓のナショナルチームメンバー。「普通に会って話していたし、何回か回ったこともあるんですけど、やっぱり飛距離も全然違います」。すごさは肌で感じていたが、先週の優勝でちょっぴり遠い存在に思えてしまった様子。「自分も(優勝)…とは思わないですね(笑)」とあどけない笑顔を見せる。

ひさしぶりのレギュラーツアーで、好プレーを見せた17歳が掲げる今季最大の目標は「プロテスト合格」だ。「徐々に調子を上げていったら合格できると思うので、プロテストにいい感じで入っていきたい」。ナショナルチームメンバーは、1次、2次が免除され、10月29日から茨城県の大洗ゴルフ倶楽部で始まる最終プロテストに参加できる。大きなアドバンテージも生かしたい。

今週は「スコアとか結果より、経験すること」を大事にする。まずはこの舞台でたくさんの収穫を得て、プロテストへの足掛かりにしたい。(文・齊藤啓介)


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