もうすぐ開幕する、今季の海外メジャー第3戦「全米オープン」。強者たちが調整に勤しむが、LIV勢のセルヒオ・ガルシア(スペイン)の使用ドライバーが興味深い。元々2017年末までテーラーメイド(以下、TM)契約だったガルシアだが、現在は契約を結ばずTMの【10K】、『Qi10 MAX』を使用する。


ネリー・コルダがコレを使用して5連勝し、国内女子でも『Qi10 MAX』を好む選手が複数いるが、ヘッドスピードの速い海外男子プロではレアケース。今年1月にTM契約のコリン・モリカワが実戦投入し、その意外性から当初は大きな話題となったが、その後モリカワは『Qi10 LS』へ移行している。
 
ガルシアは、このモリカワの逆パターンと言える。二人とも昨年末は2020年モデルの『SIM』だったが、ガルシアは2月のLIV初戦「マヤコバ」で『Qi10 LS』からスタート。が、慣れなかったのかこの試合のFWキープ率は42.86%で、その後3月の「LIVラスベガス」で61.91%、「LIVジェッダ」も57.14%とスタッツは低調だった。
 
そこから【10K】ドライバー『Qi10 MAX』に替えて、「香港」で73.81%、「マイアミ」で64.29%、「アデレード」で66.67%、「シンガポール」で1位の78.57%、直近の「ヒューストン」でも78.57%と、試合を重ねるにつれ【TMの10K】の威力が増しているように見える。
 
「マスターズ」を制した2017年は『M2』だったが、昨年末の『SIM』などと比べても『Qi10 MAX』とガルシアの過去使用作はまるで特性が異なるようにも思える。が、重心深度は違うものの、『Qi10 MAX』『Qi10』『Qi10 LS』は「3つとも重心距離が42mm前後と近いことが移行してもOKな理由」との指摘が、重心特性に詳しい関係者から聞かれる。
 
今季のメジャー初戦「マスターズ」では『Qi10 MAX』を使用するも予選落ちに終わっているガルシア。その後、武器になって見える【TMの10K】で、今回の「全米オープン」ではどんな活躍を見せてくれるだろう。


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