■Q. 海外出張時の時差ボケがつらいです。早く治す方法はありますか?
「海外出張が増えて、毎回『時差ボケ』に悩まされています。時差ボケにあまりならないタフな同僚もいるのですが、元々の体質でしょうか? 時差ボケを早く治す方法があれば、ぜひ教えてください」

■A. 時差ボケ対策は出発前からがキモ! 小さなコツを取り入れていきましょう
まず、海外に出発する前にすでに睡眠不足の状態だと、時差ボケの症状が強くなります。忙しくて睡眠時間が確保できない場合は、正午から午後3時までの間に、30分以内の昼寝を取り入れましょう。

できれば、出発の1週間ほど前から「東行きフライトなら早寝早起き」を、西行きフライトなら「遅寝遅起き」を心がけて、体内時計を現地時間に近づけておくことが、時差ボケ予防のポイントです。

飛行機の中では、必ず「現地時間に合わせて」睡眠をとってください。機内食は現地時間に合わせて出されます。少しでもよいので、食べるようにしましょう。胃腸の体内時計が調節されやすくなります。

目的地に到着してからも、コツがあります。到着時に日中なら、屋外で強い光を浴びましょう。時間もあって、どうしても眠くてたまらない場合も、昼間からぐっすり眠ってはいけません。仮眠は長くても2〜3時間までです。

到着が夕方以降なら、そのまま現地時間に合わせて行動してください。なるべくリラックスを心がけて、眠気がくるのを待ちましょう。起床後は、熱めのシャワーを浴びると交感神経が刺激されて、目が覚めます。

時差ボケ予防と解消法は、小さな工夫の積み重ねです。上手に実践して、海外出張も健康的に乗り切ってください。

▼坪田 聡プロフィール日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める専門医。日本医師会、日本睡眠学会、日本コーチ協会所属。医師とビジネス・コーチという2つの仕事を活かし、医学・生理学と行動計画の両面から睡眠の質の向上に役立つ情報を発信している。

坪田 聡(医師)