ある程度年齢を重ねると、結婚式に招待されることも増えてきます。そんなときに気になるのが、「ご祝儀」のマナー。新郎新婦の関係や年齢など、さまざまな条件によって金額が左右されるだけに、自信を持って理解できていない人も少なくないかもしれません。

今回は「学生時代の友人へのご祝儀」にまつわる疑問に、「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが回答します。

(今回の質問)
現在20代です。学生時代の友人の結婚式にお呼ばれしましたが、金欠でご祝儀が「2万円」しか出せません。マナー違反でしょうか?

(回答)
20代は収入が少なく不安定です。財政状況を考えると、「2万円」は許容範囲内です。身の丈に合った額でOK。マナー違反にはなりません。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■自身も友人も20代なら問題はないでしょう
世間のご祝儀相場は、だいたい身内以外、友人や会社関係では3万円だと言われています。披露宴でいただく料理の単価がだいたい1〜2万円。引き出物を入れると多少の差はあっても3万円ぐらいになります。これは納得いく数字ですね。昨今はそれぞれの価格の値上がりもありますので、主催者側としてはギリギリの状態かもしれません。

また、招待客の年齢が高くなると当然、ご祝儀も高くなっています。30代、40代でそれなりの給料をもらっている人と、20代で就職して間もない人では金額の差があって当然です。この質問では自身や友人ともに20代であることがポイント。経済的にも余裕がないのもお互い理解できると思います。思いきって友人に相談する手もありです。新郎新婦もある程度事情を知れば、2万円でも問題はないと思います。

■偶数のご祝儀はマナー違反?
ではこの偶数の「2万円」はマナー違反なのでしょうか?昔から割り切れる偶数は割れる(別れる)といって慶事には避けられており、奇数が基本となっています。しかし現在では「2」は一組のペアと考えるようになり、2万円でも問題ないと考えるようになりました。あるいは、1万円と5千円2枚にして3枚の奇数にするなど、少し工夫して祝儀袋に入れておくことも可能です。しかし無理やり3枚の奇数にすることに対して不自然だと感じる人も中にはいるかもしれません。

その他に考える策として、ご祝儀を2万円とし、式後に手持ちのお金に余裕ができたなら、改めて5000円程度のプレゼントを贈るのはいかがでしょうか。もちろんメッセージカードを添えることを忘れずに。また普段からSNSでメッセージをやり取りしている相手ならこちらでメッセージを送ってもよいでしょう。

ご祝儀は相場通りに贈りたいですが、事情によっては、思い通りにはいかないこともあります。特に年齢が若い場合には、財政状況にあわせて、身の丈に合った額でよいのではないでしょうか。新郎新婦の幸せを祝福する気持ちが伝わればよいのですから。

この記事の筆者:中山 みゆき
All About がオープンした当初から3年半、前ガイドの夫と共に冠婚葬祭についての情報発信に積極的に関わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信し続けています。