AppleのCEOであるティム・クック氏は5月8日、自身のX(旧Twitter)を更新。公開したプロモーションビデオの内容が批判を浴びています。

■「クリエイターがこのビデオを気に入るとは思えない」
クック氏は「新しいiPad Proの登場です。これまでで最も薄く、これまでで最も先進的なディスプレイ、そしてM4チップの驚くべきパワー。M4チップの驚くべきパワー。このiPad Proを使って、どんなものが生み出されるのか、想像してみてください」と英語でつづり、1本の動画を公開しています。1分の長さの動画で、内容はかなり衝撃的です。ピアノやゲーム、メトロノーム、モニターなどが上から大きなプレス機のようなもので徐々に押しつぶされていく様子です。

破壊の瞬間がかなり鮮明に捉えられ、見るのが耐えられない人もいるでしょう。最後に完全に押しつぶされた後は、プレス機の中から新型iPadが登場。iPadの薄さや、いろいろな機能が中に詰まっていることをアピールしたかったのかもしれませんが、悪手だと思われます。

コメントでもやはり非難の声が殺到。「楽器やカメラといったクリエイティブな道具が壊されていくのを見て、悲しい気持ちになった。クリエイターがこのビデオを気に入るとは思えない」「プロのクリエイターにアピールするために、人間の創造性や文化的功績の象徴を粉砕する」「スティーブ・ジョブズが恋しい」「多くの職人は道具を大切にする。音楽家は楽器を、建築家は定規を、画家は筆や画材を、命そのものよりも大切にする。あなたが提示したビデオは "オール・イン・ワン "だが、彼らをうんざりさせるだけだろう。彼らは決して関わろうとしないかもしれない...」といった声が海外から上がりました。

また日本でも、「AppleイベントのiPad紹介映像、下品で悪趣味すぎる」「かつてのAppleにあったセンスが失われ始めてるのかと思うと悲しくなる」「なんだこのAppleらしくないPVは」「楽器を潰して破壊していく映像、つらかった。自分の全身が痛みを感じた。音楽を愛するAppleがこんな映像表現をするとは悲しみを超えている」などの声が上がりました。

■7日に新製品を発表したApple
7日に開催されたAppleの新製品発表イベントで、「iPad Pro」と「iPad Air」の新モデルが発表され、世間ではそのことが話題を集めているものの、今回の“楽器破壊”も少なからず反響を呼んでいます。クック氏は何を思ってこの動画を世界に向けて発信したのか、疑問に思う人が大勢いるはずです。今後何かしらの対応があるのかどうか、注視したいですね。