7日に閉幕したF1日本GPで10位入賞

 7日に幕を閉じた自動車レースのF1日本グランプリ(GP)。予選10番手だった角田裕毅(RB)は決勝で激走し、日本人ドライバーとして2012年の小林可夢偉(3位)以来12年ぶりの入賞となる10位に入った。英老舗専門誌は日本GPの結果を受けて「ツノダだけが2025年のF1を救える」といったセンセーショナルな見出しで大特集。ここまでのレース内容を称賛し、最後には現在コンストラクターズ(製造者)部門トップを独走するレッドブルに対して「ツノダを連れてくる時だ」と異例の提言をしている。

 日本GPではピットストップの際にクルーの“超速タイヤ交換”もあって順位を上げ、終盤には逆バンクからのオーバーテイクという卓越したドライビングテクニックを見せて、1ポイントを獲得した角田。この走りに注目したのは、創刊100年を誇る英老舗専門紙「モータースポーツ」だ。記事の小見出しで「死ぬほどの退屈さを前に、壊れたAIの自画自賛に似たスポーツを救うために必要なエンターテイメントをもたらすことができるドライバーは1人だけ」と最上級に近い言葉を並べて絶賛した。

 本文では、日本GP優勝で今季4戦3勝としたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が他を圧倒していることに触れる一方で「その中で、あるドライバーが他の大半よりも目を引いている(彼がどんな車を運転しているかを鑑みれば)」として角田をクローズアップ。「ユウキ・ツノダはアルファタウリAT04、そしておしゃれに名付けられたRB VCARB 01を運転し、ここ9レースで5ポイントを獲得した。彼はここ9回のGPで6回、チームメート(それが腕利きのリアム・ローソンであれ、窮地に立つベテランのダニエル・リカルドであれ)の前でフィニッシュした」と好結果に触れている。

 コンストラクターズ部門のランキングにおいても「トップ5の順位(順にレッドブル、フェラーリ、マクラーレン、アストン・マーチン、メルセデス)がこれまで以上に不変だと全ての解説者が言う年において、現状を他の大半よりも頻繁にかき乱しているのはツノダだ。開幕からの4回のGPで3回、予選トップ10に姿を現している」とRBの健闘を紹介。「ビザ・クラップ・アップなんちゃらレーシングが6位につけているのは、全くもってこの若き日本人ドライバーの素晴らしき力だけによるものだ」とRBを揶揄しながらも、角田の実力を評価している。

 さらに記事では「この日本人ドライバーは唯一のF2シーズンにおいて、その素晴らしいカーコントロールで複数のレースを制した。これは確かにフェルスタッペンのレッドブルを引き受けるチームメートであり、そして機が熟しきった待望のエンターテイメントを最前線で私たちにもたらしてくれるだろうか?」と期待の高さを示したうえで「今がレッドブルに変化を起こし、ツノダを連れてくる時だ」とレッドブルへの移籍も提言する形で締めている。

(THE ANSWER編集部)