住友重機械工業グループの住友ナコフォークリフトで、法令で定められたフォークリフトの定期検査でブレーキ内の点検などを省く不正があったことがわかった。朝日新聞は4月22日に住友重機械に確認を求めた。住友ナコは延べ4件の不正を同26日に厚生労働省へ報告して公表した。他に不正がないか、調査を続けるという。

 不正があったのは、住友ナコの国内営業所。労働安全衛生法で定められた年1回の特定自主検査で検査指針を守っていなかった。同社の昨年のフォークリフトの国内向け出荷台数は6288台(国内シェアは8.2%)で、年に約3万4千台の自主検査を行っている。

 住友重機械は26日、住友ナコが厚労省への報告を終えたあとに取材に回答し、2017〜21年に2台のフォークリフトで延べ4件の不正があったとしつつ、「(詳細な)事実関係は確認中なので回答を控える」とした。取材への回答日と厚労省への報告日が重なったのは偶然だとしている。