この春に就職した新入社員のうち、就職活動が「順調だった」と答えた人はコロナ禍以降で最も高い6割超――。そんな結果が、東京商工会議所がまとめた意識調査で明らかになった。景気回復に伴う人手不足を反映し、就活は学生に有利な「売り手市場」となっており、新入社員側の回答もそれを裏付けるものとなった。

 調査は東商が4月、中堅・中小企業を中心とした新入社員研修の受講者1021人に実施し、957人が回答した。

 就活が「順調だった」(25・5%)と「ほぼ順調だった」(36・7%)の回答は合計で62・2%に上った。コロナ前の19年度は両者で計58・8%だったが、21年度は計49・9%まで落ち込んでいた。

 就職先の会社でいつまで働きたいかの問いには、「定年まで」が21・1%、「チャンスがあれば転職」が26・4%で、18年ぶりに両者が逆転した。10年前の14年度調査ではそれぞれ35・1%、11・9%だった。

 就職先を決める際、「誰の意見も重視していない」のは3割、「親」の意見を重視したと回答したのも3割に上った。

 また、「理想の上司」では、日本選手で大リーグ単独最多の本塁打を記録した大谷翔平選手が最多で、芸能界・文化人ではアナウンサーの水卜麻美さん。歴史上の人物では戦国武将の織田信長、7月から発行の新1万円札に肖像画として描かれる実業家の渋沢栄一も3位に入った。(本多由佳)