住友化学は2024年春闘で基本給を底上げするベースアップを1万円実施することで労組と妥結した。定期昇給分を合わせると1万9400円(5.5%)の賃上げになる。物価上昇への対応が必要だと判断した。

 同社は賃上げの旗を振る経団連の十倉雅和会長の出身企業。医薬子会社の住友ファーマや石油化学事業が振るわず、2024年3月期決算の純損益は過去最大の3118億円の赤字となり、春闘への対応が注目されていた。

 ことしの春闘は物価の上昇や人手不足を背景に大幅な賃上げに踏み切る企業が相次ぎ、大企業を対象にした経団連の1次集計では、定昇とベアを合わせた賃上げ率は5.58%となっている。(山本精作)