仙台国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準になる2024年の路線価(1月1日時点)を公表した。県内の標準宅地(2846地点)の平均変動率は0・6%上がった。前年に引き続きの上昇で上昇率は0・5ポイント拡大し、都道府県別の平均値の順位は23位(昨年25位)だった。

 路線価は主要な道路に面した1平方メートルあたりの土地の評価額。国土交通省が発表する公示地価の約8割を目安に国税庁が算定している。

 県内9税務署管内の最高路線価は、盛岡で2・3%上昇。水沢、一関、釜石、二戸の各管内の4地点で横ばいだった。宮古、大船渡、花巻、久慈の各管内は、それぞれ2・2〜3・9%の間で下落した。県内の最高価格は、盛岡市大通2丁目の「大通り」で、1平方メートルあたり22万5千円と前年から2・3%上昇した。

 不動産鑑定士の細川卓さんは「盛岡の大通りはコロナからの回復が進んでいる。ただ、飲食店の新規出店が進まないなど完全に回復しているとは言えない。県北、沿岸はプラスの要素が見当たらない。二極化が進むだろう」と話した。(小泉浩樹)