ウクライナ在住の日本人男性医師だとかたる「ロマンス詐欺」で、女性から現金50万円をだまし取ったとして、福島県警は8日、フィリピン国籍でアルバイト、クロセ・アーリンダ・ベルガラ容疑者(67)=愛知県豊田市=を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。

 福島県警によると、被害者は同容疑者名義の金融機関の口座に金を振り込んでいたといい、同容疑者は金を引き出したことは認めているという。県警は、共犯者の有無などについても調べている。

 県警によると、クロセ容疑者は昨年11月下旬〜今年1月中旬、ウクライナに居住する医師などになりすまし、SNSのフェイスブックで知り合った同県二本松市の70代女性に対し、「ダーリン、愛している」「アメリカ旅行に連れて行きたい」などと恋愛感情を抱かせるメッセージを送り、現金50万円をだまし取った疑いがある。

 恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取るロマンス詐欺や、SNSを通じて投資を勧める「SNS型投資詐欺」の被害は後を絶たない。

 県警によると、1〜3月末に把握した県内のこうした詐欺被害は18件、被害額は3億2820万円にのぼる。

 SNSを使ったロマンス詐欺の容疑者の逮捕は県内では初めてという。