「住みここち」1位は原村、「住みたい」1位は松本市――。居住満足度を計る民間会社の調査で、長野県内では、こんな結果が示された。

 調査は賃貸住宅建設大手、大東建託(東京)の「いい部屋ネット 街の住みここち&住みたい街ランキング2024長野県版」。20歳以上の県内居住者を対象にネット経由で調べるもので、「住みここちランキング」は20〜24年(一部19年も)の回答を集計した(重複なしで計1万3255人)。

 今住んでいる市町村の住みここちを5段階で総合評価してもらい、平均値からどれだけ離れているかを示す偏差値を高い順に並べた。生活・交通利便性や行政サービスなど8項目についても同様に調査した。

 住みここち1位は2年連続で原村。8項目では「生活利便性」で県内平均を下回るが、「静かさ治安」「物価家賃(安さ)」「防災」で1位。車でも鉄道でも東京まで約2時間半という好立地から「交通利便性」も2位。行政と住民が連携して移住者を支援する「県移住モデル地区」に指定されており、「行政サービス」「親しみやすさ」も2位と高評価だった。

 住民コメントでは「自然環境」「静か」「のんびり」に交じって「東京へのアクセスが良い」「18歳まで医療費無料」などの評価が目立った。

 住みここち2位は小布施町、3位は軽井沢町と観光地が並ぶ。小布施町は「行政サービス」「親しみやすさ」で1位、軽井沢町は「賑(にぎ)わい」で1位と満足度が高かった。

 住みここち上位5自治体のうち四つは町村だった。同社賃貸未来研究所フェローの宗健・麗沢大教授は「県内は小さくても合併していない自治体が多く、それぞれが地元の良さを生かす独自の街づくりをしている結果ではないか」と解説する。

 佐久市は住みここち11位だが、生活利便性と交通利便性は1位だった。

 「住みたい街ランキング」は今年の回答(3020人)のみを集計。1位は松本市で、昨年に続き県庁所在地の長野市(3位)を上回った。住みここちの総合評価でも松本市は4位、長野市は14位だった。

 住みたい街は「特にない」(54・5%)と「今住んでいる街」(21・9%)を合わせると、4分の3以上が今住んでいる街を肯定的に評価する結果だった。(吉田耕一)

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街の住みここちランキング2024長野県版トップ5

順位 昨年 自治体   偏差値  

1位 1位  原村    75・1

2位 4位  小布施町  65・6

3位 6位  軽井沢町  63・5

4位 2位  松本市   63・3

5位 8位  山形村   61・8

住みたい街ランキング2024長野県版トップ5

順位 昨年 自治体   得票率(パーセント)

1位 2位  松本市   2・4

2位 1位  東京23区  2・0

3位 3位  長野市   1・9

4位 4位  横浜市   0・8

5位 5位  安曇野市  0・5

同  7位  上田市   0・5