岐阜市の柴橋正直市長(44)がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルを5月下旬に訪問したことについて、「岐阜・九条の会」など三つの市民団体が13日、市長宛てに抗議文を出した。団体側は「自らの信仰に基づいて一方的にイスラエルを擁護している。政府や国連の方針とも相いれない」と批判。市長に反省や謝罪を求めた。

 市内に住むイスラム教徒らも参加し、抗議の意思を伝えた。柴橋市長は公務を理由として姿を見せず、秘書課長が代理で抗議文を受け取った。

 柴橋市長はこれまで、クリスチャン政治家でつくる団体「オリーブの会」の会長として私的にイスラエルを訪問し、聖書の一節に従って「エルサレムの平和のために祈った」と説明してきた。これに対し団体側は、現地などでは「岐阜市長」の肩書で訪問と報道されていると指摘。「公開の場では、公職者は自らの信仰に基づいた言動を慎まなければならない」などとして、反省の表明を求めた。

 柴橋市長は、昨年10月にも東京都内のイスラエル大使館を訪問。「イスラエルの平和のために祈る。イスラエルの側に立つ」という趣旨の声明を届けている。(保坂知晃)