公益財団法人「岡山県健康づくり財団」の付属病院で、診療報酬の二重計上など計約1億5190万円の不適切な会計処理があったことがわかった。同財団が28日に公表した。経理担当の職員がずさんな事務処理をしていたのが主な原因という。財団は過大計上について2023年度決算で減額処理し、この職員を2階級降格とする懲戒処分をした。

 財団によると、昨年8月に内部調査で発覚。診療報酬を重複して算定したり、会計システムへの入力ミスなどがあったりして、16年度以降で計91件、計約1億1300万円の誤りがあった。書類との突き合わせが出来ていないものや計上漏れなどを合わせると、計約1億5190万円に上るという。不適切な処理は、主に1人の経理職員が担当したもので、調査に対し「適正に処理しているつもりだった」と話しているという。着服などは確認されていない。

 財団はこの職員が長期にわたって会計処理を担当し、チェック体制が不十分だったことも原因としている。監督責任を問い、上司2人も戒告とした。今後、会計処理体制の見直しなどを進めていく。財団は「関係者に多大なご迷惑をかけたことを深く反省し、防止策を着実に進めて信頼回復に取り組みたい」とコメントした。(上山崎雅泰)