1945年6月28日深夜〜翌29日未明に1200人以上が亡くなった佐世保空襲の死没者追悼式が6月29日、長崎県佐世保市の市民文化ホールであり、遺族ら約80人が黙禱(もくとう)や献花をして、平和への誓いを新たにした。

 1975年設立の佐世保空襲犠牲者遺族会は、高齢化で会員が減り今年3月末で解散。会長だった臼井寛さん(90)が「佐世保空襲は遺族にとって生涯忘れられない悪夢。戦争を繰り返さないよう、後世に伝えるよう努力してきたが、解散は誠に残念」とあいさつ。戦争が繰り返される現状について「『正義』を掲げて戦争をするが、人が人を殺し合うことに何の正義があるでしょうか。命の尊さ、平和のありがたさを、後世に伝えていかなければならない」と訴えた。

 市内の祇園小学校の児童代表は千羽鶴を捧げ、祇園中学校を代表して3年生の新野絵菜さん(14)が「世代交代が進んでいる今、想像できないからと語り継ぐことをあきらめてしまえるような簡単なことではない」「私たちにできる平和につながる活動を佐世保の地で取り組んでいきたい」と作文を読み上げた。(上沢博之)